ギブソン・アコースティック・ドレッドノートタイプ

ダヴ 1970年製 ダヴ 1970年製

かなりボロボロな状態だったので安く手に入れたのですが、音はかなり良いです。
コレクターには、ミントコンディションでなければという人が多いですが、私は弾き込まれたギターは良い音がするので、見た目ボロボロでも値段も安いし、気にしません。
ダヴは60年代のチューンOマチックの方が評価が高いのですが、個人的には普通のブリッジの方が好きです。
ボディのバックは60年代はメイプル合板で、70年からメイプル単板の2ピースセンター合せになりますが、何故かこれはメイプル単板4ピースです。
マーチンD-35の様にバックストライプが2本あるので、一見すると3ピースですが、よく見ると真ん中の部分はさらにセンター合せになっています。
過渡期の仕様と思われますが、かなり特殊な構造ですね。









ハミングバード 1976年製 ハミングバード 1976年製

ワインレッドという色は、結構珍しいと思います。
サウンドホールのリングも塗りつぶされているのため、奇妙な印象を受けます。
おまけに、ブロック・ポジション・マークは、ハミング・バードのイメージに合いませんね。
サウンドは、悪名高き70年代ギブソンのダブルXブレイシングのため、全然鳴りません。










J−45E 1955年製 J−45E 1955年製

一見Jー160Eのようですが、J−45のエレクトリックバージョンです。
当時は他にもJ−200やエバリー・ブラザース等にJー160Eのエレクトリックを載せた物があったようです。
普通に考えるとナチュラルフィニュッシュなのでJ−50と思うのですが、機種名はJ−45とスタンプされています。
ハウリングを抑えるためJー160E同様トップがラミネート材になっているので普通のJ−45より鳴りが良くありません。
Jー160Eとの違いはサイド&バックがソリッドマホガニー、ブリッジはノンアジャスタブルタイプ、ゴールド・パーツ、ジャックの位置等です。
音質的にはJ−45にアーチドトップを合わせたような独特の響きを持っています。








SJ(サザナー・ジャンボ) 1951年製 SJ(サザナー・ジャンボ) 1951年製

1954年にSJN(サザナー・ジャンボ・ナチュラル)として正式に発表される前に少量作られたSJのナチュラル仕様です。
1954年のSJNとの違いは、ロング・サドルとテーパーのきついヘッドの厚みぐらいです。
(ボディ内のスタンプは当然SJのみです)
もっとも1954年のSJN自体15本しか作られず、1955年にはロング・ピックガード、20フレット、ノン・スキャロップド・ブレイシングへと、ルックス&サウンドとも大幅に変わってしまうので、ティアドロップ型ピックガードの物自体がレアな存在となっています。
なお、名称がよく変わるので、間違って記述されることがありますが、1956年のカタログからSJN(サザナー・ジャンボ・ナチュラル)・カントリー・ウェスタンとなり、1958年のカタログではSJに伴ってSJN(サザン・ジャンボ・ナチュラル)・カントリー・ウェスタンと変更され、1960年では単にSJN(サザン・ジャンボ・ナチュラル)とカントリー・ウエスタンが消え、1962年に再びSJN(サザン・ジャンボ・ナチュラル)・カントリー・ウェスタンに戻されてます。
サウンド的には、同時代のJ−45&J−50とそれほど変わり無く、反応が良く、音量がありますが、心持ち低音がブーミーな感じがします。








J-50 1968年製 J-50 1968年製

定番のラウンド・ショルダーのJ-50です。
それもピックガードにブランド名が書かれた時代のものです。
楽器屋で見かけて、1本は持っていた方が良いか?と思い、試奏したら良かったので購入しました。
人気があるので、性格的に便乗したくなかったため、これまでなかなか手が出ませんでした。
上記の51年製のSJに比べると、個人的にはサウンドが今一つですけど・・・独特な音があり、このモデルで演奏された曲も多いですから、あると便利です。










SJN COUNTRY  WETERN 1967年製 SJN COUNTRY WETERN 1967年製

シェリル・クロウの使用で再認識されたスクェア・ショルダー・ドレッドノートのSJNです。
ギブソン社では、1958年にまずエピフォン・ブランドでスクェア・ショルダーを発表し、市場の反応を確かめた後、1960年に自社ブランドとして初のスクェア・ショルダーのハミングバードを発表します。
これも評判が良かったため、1962年にはSJ&SJNもラウンド・ショルダーからスクェア・ショルダーモデルチェンジし、ハミングバードの廉価版(装飾類が省略された形)となります。
この当時(1967年まで)の、ハミングバードやSJ&SJNは戦前風の細くて背の高いブレイシングを採用して軽く作られているのが特徴となります。
(特に、SJ&SJNはスモール・ヘッド、ツマミの小さいペグ、薄いピックガードのため、非常に軽くなっています)
このため、アジャスタブル・ブリッジ特有の厚みのない音ではありますが、音量やサスティーンは充分あり、レスポンスも良いのが特徴です。
ずば抜けて良い音とはいえないけど使える音なので、この時代特有の細めで弾きやすいネックや軽いボディという特徴と相まって、使い勝手の良いギターという印象です。
なお、この時期、黒いプラスティックのブリッジや木製のサドルの物も存在するのですが、音質的にはそんなに差がないように思われます。






Jubilee Deluxe 1969年製 Jubilee Deluxe 1969年製

ギブソン社の75周年記念として発売されたジュビリーです。
69年末〜71年中しか製作されなかったので、結構レアなギターです。(特に69年製は少ない)
一見普通のスクエアショルダーのドレッドノートに見えますが、一周りコンパクトで、LGシリーズと同じスケール、サイズです。
ボディのバック&サイドにはラミネートのハカランダを使用しています。
ジュビリー・シリーズには、このほかマホガニーバック&サイドのJubilee Nと12弦のJubilee 12Nがありました。
サウンドは独特な残響があり、ラミネート板とはいえジャズギターの技術が活かされているようです。
また、ボディサイズやネックの握り等がとても弾きやすく感じます。







ヘリテイジ 1969年製 ヘリテイジ 1969年製

発表当時は、マーチンを意識したシンプルな外見で、材質はスプルース・トップ、サイド&バックがハカランダ単板、エボニー指板でした。
1968年に、ヘッドにカクタス・インレイが入り、1971年には、ポジション・マークがラージ・ブロックになります。
ボディの材質は、発表後すぐにハカランダ合板のものが登場し、1968年のモデル・チェンジの頃には、全てハカランダ合板となり、一部、インディアンローズ・ウッド単板の物がまじります。
そして、1971年以降は、全てインディアン・ローズウッドの単板になります。
ハカランダ合板にも2種類あり、ボディ内側がハカランダ面のものとメイプル面のものがあります。
内側と外側がハカランダ面の場合だと、両面の木目が異なっていれば、合板だと判ります。









Blue Ridge 1973年製 Blue Ridge 1973年製

ブルーグラス音楽用に開発されたブルーリッジです。
資料によるとバック&サイドはハカランダとメイプルの合板となっていて、以前見かけた物も合板だったのですが、これは単板を使用しています。
仕様の変更があったのか、この1本だけ独特なのか、よくわかりません。
1968年〜1979年に5,000本以上作られたはずなのに、中古市場にあまり出てこないし、詳しい資料もありません。
これも70年代のダブルXブレーシングなので、音は大きいのですが深みがありません。
カラッとしたサウンドはコードカッティング用だと思います。








<ギブソン・アコースティックに戻る>