レスポール

レスポール・スタンダード 1952年製 レスポール・スタンダード 1952年製

1952年製のオール・ゴールドのコンバージョンです。
ネックはリセットしておらず、差込角度が浅いため、ブリッジ下側を削って高さの調整がしてありました。
通常のレスポールとピッキングする高さが違うので、最初は違和感がありましたが、すぐに慣れました。
ピックアップは60年代前半のステッカー・ナンバードです。
1969年製にPAFを載せたものよりも、1959年製のバーストに近い音がします。
やはり、ピックアップよりも木部の違いの影響が大きいみたいです。









レスポール・スタンダード 1959年製 レスポール・スタンダード 1959年製

ビンテージ・ギターの定番、サンバーストレスポールです。
リフィニッシュなので安かったのですが、それでもかなりの額なので、今でも月賦を払っています。
音はさすがに抜群です。
入手してから気付いたのですが、50年代のギブソンギターはストップテールピースが高音弦側がややネック寄りに斜めについているのですね。
レスポールの場合はボリュームコントロール・ノブの位置と比べると良く判ります。
これは、再生産品やMAX等のコピー物にはない特徴のようです。









レスポール・スタンダード 1969年製 レスポール・スタンダード 1969年製

ラージヘッドになった1969年製(ポットの日付によると1968年製)のゴールド・トップです。
ラージヘッドとしては初期なので、ボディとネックは1ピースのマホガニー製で、トップは2ピースのセンター合わせです。
カッタウェイ部分のバインディングはトップのメイプルに合わせて厚みが変っており、ジャックプレートは金属製です。
オールドの同様にケーブルの穴は四角形で、トップ接着前にルーティングされたのが判ります。
多くの人がやるように、ピックアップはオールドPAFに交換しました。
ピックアップを交換した時はレコードで聴く、オールドレスポールと同じ音だ!と満足しましたが、本物の1959年製を手に入れたら、やっぱり本物の方が数段良い音がすることを知りました。









レスポール・スタンダード58 1971年製 レスポール・スタンダード58 1971年製

1954年製のリィシューなのに何故かレスポール・スタンダード58という名称です。。
1,000本余り作られたうちのほとんどがゴールドトップなのに、これはレアなサンバーストです。
スモール・ヘッド、ボリュート無し、短めのディープジョイントの1ピースネックで、ボディ・バックも1ピースのマホガニーです。
これも未だケーブルのルーティング穴は四角形のままです。
Gibsonロゴ入りのP-90、ピックアップ周りの白いカバー、リッジ付きのスタッド・ブリッジ、スピード・ノブ、均一な幅のバインディング、ベッコウ柄サイド・ポジションマーク、メタル製ジャックプレート等はオリジナルの仕様です。










レスポール・スタンダード 1975年製 レスポール・スタンダード 1975年製

1974年と75年に生産されたラージ・ハムバッカーで3ピース・マホガニー・ネックのスタンダードです。
ピックアップ・キャビティ側にルーティングはありますが、ネックの中子は指板エンドまでしかありません。
ケーブルの穴は丸く、オールドのカスタム同様にロングドリルで彫られたようです。
その他に、浅いネックジョイント角、均一な幅のバインディング、ベッコウ柄サイド・ポジションマーク、ブラス・サドル、アルミテールピースといった特徴があります。
同時期に、レスポール・デラックスのラージ・ハムバッカー版も作られており、混同される事が多いですが、微妙に仕様が異なります。
パンケーキ・ボディには変な先入観があったのですが、弾いてみたら意外と良い音の物が多いことを知りました。
考えてみれば、良い材を効率よく使うための工夫であったのだから、質の悪い1ピース材より音が良いのは当たり前なのかもしれませんね。









レスポール・スタンダード 1970年代中頃 レスポール・スタンダード 1970年代中頃

MADE IN U.S.A.の刻印無しシリアルからは1968年製と思ったのですが、調べてみるとポッドDATEは1975年で、その他の仕様からも1970年代中頃は間違いないと思います。
この時期にはSTRINGS and THINGSという楽器店がオーダーした物が有名ですが、それは3ピースのマホガニー・ネックということなので、別のカスタム・オーダー物と思われます。
これはワンピース・ネックで、ボディはワンピースのバック、カーリーメイプルのブックマッチのボディトップです。
その他、スモールヘッド、ボリュート無し、モダン・ロゴ、均一な幅のバインディング、ピックアップ・キャビティまで届いていない中子、コントロールのシールド無し。
ハードウェアは、刻印Tバッカー・ピックアップ、旧タイプのチューン・O・マチック・ブリッジ、ブラス・サドル、アルミ・テールピース、メタル・ジャックプレートといった感じです。
ボディ・トップのチェリー・レッドはリフィニッシュですが、ボディ・バックのチェリーはオリジナルのようです。
サウンド的にはかなり良く、80年代のレスポール80や58ヴィンテージよりも69年製に近い感じです。









レスポール・スタンダード 1979年製 レスポール・スタンダード 1979年製

初めて手に入れたギブソンです。
トップはブックマッチのトラ目、ネックも3ピースですがトラ目です。
当時は、通常のスタンダード・モデルはナッシュビルで作られていたのに、シリアル・ナンバーからするとカラマズ―製です。
ひょっとすると、カラマズーモデルと呼ばれる物と同じかもしれません。
ピックアップはダンカン59に交換しています。










レスポール・スタンダード 1980年製 レスポール・スタンダード 1980年製

上記の物と同じカラマズー製のトップはブックマッチのトラ目です。
但し、ボディ・バックとネックがチェリー単色(上記の物はサンバースト)に塗られています。
また、シリアルが黒インク、カッタウェイ部のバインディングが均一の幅など、さらにオールドに近づいています。
トップのサンバーストもオールド風に仕上げてあり、よりワイドになったハードロック・メイプルのフレイムを引き立てています。
1年の間に、カラマズーではリイシューに向けて試行錯誤していたのが伺えます。
なお、当時の雑誌等で、カラマズー製トラ杢のレスポールことをCMT(カーリー・メイプル・トップ)と呼んでいますが、正式名称ではなく、CMTは80年代半ばに存在した別のモデルの名前です。









レスポール80スタンダード 1981年製 レスポール80スタンダード 1981年製

オールドの復刻として登場したレスポール80ですが、今からみると全然オールドに似ていませんね。
70年代のレスポールに比べると、トップのメイプルが柔らかく、その分暖かみのある音でオールドっぽいですが、音の輪郭がはっきりしないので、個人的には70年代の方が好みです。
リィシュー物全体に言えるのですが、木目の良いのはほとんどソフトメイプルトップなので音がいまひとつです。
なお、発売時にはレスポール80という名称でしたが、現在では米国本土の名称Heritage80の方が一般的かもしれません。











レスポール standard82 1981年製 レスポール standard82 1981年製

ナッシュビル工場で作られたレスポール80が今ひとつの完成度なので、カラマズー工場の職人が俺達だったらこう作るという意味合いで作ったのがstandard82と言われています。
また、カラマズー工場の閉鎖が既に決まっていたため、リペアー用に保管してあったレフトオーバー・パーツを流用して作られたそうです。
そのためか、製作本数も少なく、同じstandard82とトラスロッド・カバーに書かれたものでも仕様にバラツキがあります。
これは、1981年10月のシリアルを持つ最初期のものなのでとくに古いパーツが多く使われているように思われます。
(standard82は名前から1982年製と勘違いされていますが、実際には1981年末製造のものも少数存在します)
イースタン・ハード・メイプルと思われる表板は、見たことも無い超ワイド・フレームの3Dトラ杢(玉目、キルト混じり)!
おそらく、カラマズーの職人が大切に秘蔵していた材ではないでしょうか?
仕様的な復刻度でいえば、現在のヒストリック・コレクションには及びませんが、オールドのニュアンスを感じさせられる1本です。







レスポール 58Vintage 1982年製 レスポール 58Vintage 1982年製

当時の日本ギブソン(荒井貿易)が、レスポール80の仕様に満足できず、gibsonにオーダーした58Vintageです。
(このギターのシリアルが1982年2月でポットデイトが1980年ということや、1982年3月刊の雑誌に載っていること等から、オーダー自体は1981年だったと思われます)
発売当時は、単にレスポール”ヴィンテージ”(あるいはレスポール”ナイス・トップ”)と呼ばれていました。
”ヴィンテージ”と呼ばれた物には、同時期に日本ギブソンが輸入したカラマズー製レオズ・ビンテージやカスタムショップ(ナッシュビル)製でNから始まるシリアル物も存在しました。
これらは定価58万円で販売されていましたので、翌年に定価59万円の59Vintageが発表されると、区別するために58Vintageと呼ばれるようになったのです。
このタイプはクローズドgibsonロゴで、シリアルナンバーはヘッド裏には無くコントロールキャビティ内に刻印されています。
このため、翌1983年には、オールドと同じオープン・ロゴでヘッド裏に9から始まるシリアルナンバーがスタンプされた事を謳い文句にした59Vintageが発表されます。
しかし、59Vintageはエボニー指板、小さいサイド・ポジションマーク、前面止めのペグ、ネックジョイント位置というように、かえってオールドから仕様が離れてしまった点もありました。
一番の違いは、これが古いカラマズー工場製なのに対して、59Vintageはナッシュビル工場製という事で、作りやサウンドはカラマズー製に軍配が上がります。









レスポール Leo's Vintage 1982年製 レスポール Leo's Vintage 1982年製

オークランドにあるレオズ・ミュージックという楽器店が東海のコピー・モデルにインスパイアされてギブソンにオーダーしたリイシュー・レスポールです。
特徴はL1から始まるシリアルナンバーとアッパーリンクgibsonロゴの位置がヘッドの上にあることです。
なお、82年製まではカラマズー製で、83年からはナッシュビル製となり、カラマズー製はコントロール・キャビティに正式なシリアルナンバーが刻印されています。
81年〜85年の間におよそ600本制作されたそうで、なかにはゴールド・トップの1957年型が数本とオール・ゴールドの1956年型が1本あるそうです。
当時のパンフレットによると、型番はヴィンテージ・サンバーストがVB-1、ゴールド・トップがGT-1、チェリー・サンバーストがCB-1となっています。
なお、リアルなヴィンテージ・サンバーストは、ベイエリアのギター製作家ケン・フィドキンがギブソンをサポートしたそうです。
そういえば、日本ギブソンがチェリー・サンバーストの色合いが気に入らず、リフィニッシュしたなんて噂もありました。
(レオズ・ミュージックによると、日本ギブソンではなく、光商工とオカダインターナショナルを通して日本で販売したそうです)
このギターも、作りの良いカラマズー製であるうえに、トップの杢目が良くサンバーストの色合いもリアルなため、思わず衝動買いしてしまいました。









レスポール カスタムショップ 1982年製 レスポール カスタムショップ 1982年製

こちらも58Vintageと言われる事があった、シリアルナンバーがNから始まるナッシュビルのカスタムショップ製です。
しかし、Nシリアルのものにはポット・デイトが1983年の物もあるので、58Vintageでは無さそうです。
ヘッド裏にカスタムショップのマークが付いた物としては、かなり初期のモデルです。
Nから始まるシリアルなので、日本ギブソンのオーダーだとか、ノーマンズ・レア・ギターズのオーダーなんて説もありますが、どちらも違うようです。
ロゴはアッパーリンクのクローズド・ロゴが使われていますが・・・同じく、ナッシュビル工場で作られた59Vintageと似た構造です。












レスポール 59Vintage 1983年製 レスポール 59Vintage 1983年製

日本ギブソンが、前年に発表したレスポール・ヴィンテージ(58ヴィンテージ)が好評だったため、新しくギブソンにオーダーした59ヴィンテージです。
これも好評だったため、同じ83年にアメリカで発売されたレスポール・リイシューが急遽輸入され59ヴィンテージとして売られました。
9から始まる小さいサイズのスタンプによるシリアルナンバー、オールド同様のオープンOロゴ、エボニー指板が特徴となっています。
おそらくギブソン側の都合だと思われますが、カラマズーでなくナッシュビル工場での製作となっています。
やっぱり、カラマズー製に比べると作りが雑で、弾いた感じも今ひとつです。
その他の特徴は、ピックアップ配線のルーティングがロングドリルによる丸型、小さい黒のサイド・ポジションマーク、前面止めのペグなどがあります。
当時の広告には、1959年製をもう一度つくった。本物の59年製をお持ちの方、じっくり手にとって眺めてもらいたい。といった旨が書かれていた・・・
本物と全然ちがうのになぁ・・










レスポール リイシュー 1983年製 レスポール リイシュー 1983年製

こちらは、1983年に、アメリカで正式に再生産として発表された、レスポール・リイシューです。
製造はナッシュビル工場で、仕様は59Vintageとほぼ同じですが、指板がローズ・ウッドです。
また、シリアルナンバーの最初の数字は、西暦の最後の数字なので、このギターは3になっています。
ちなみに、1983年製のレスポール・リイシューには、僅かですがカラマズー製があり、コントロール・キャビティにもシリアルが刻印されています。














レスポール リイシュー 1983年製 レスポール リイシュー 1983年製

こちらも、1983年製のレスポール・リイシューですが・・・カラマズー工場製です。
存在自体は前から知っていたのですが、やっと入手できました。
ヘッド形状がギター・トレーダーのリイシューに似た1弦と6弦のポストの間隔が狭い形状です。
(前のオーナーはギター・トレーダーのリイシューと言われて購入したそうです)
ヘッド裏にインク・シリアルは3から始まる小さいフォント、コントロールキャビティ内も刻印されているダブル・シリアルです。
ボディのルーティング等は、ナッシュビル製より数段造りが良いです。












レスポール スタンダードCMT 1987年製 レスポール スタンダードCMT 1987年製

ニューヨークのサム・アッシュという楽器店がオーダーしたというスタンダードCMT(カーリー・メイプル・トップ)です。
上記の1980年製スタンダードの箇所にも書きましたが、フレイムメイプルのスタンダードをCMT呼ぶことが多いですが、正式名称ではこのモデル名になります。
通常、1987年製のスタンダードというと、スラッシュの愛機のように、フレイムの無い3ピース・トップですが、これはブックマッチのフレイム・トップです。
PRSのように染料を染み込ませてフレイムを強調してあるので、見る角度を変えてもフレイムの表情の変化が少ないのが、少し物足りない感じです。
トップが違う以外は、当時のスタンダードと同じ仕様で、ナッシュビルタイプのブリッジ、8桁シリアル、メタル・ジャックプレート、カッタウェイ部のバインディングは幅が変わるタイプです。
サウンドは意外と良いので、ひょっとしたら、バックのマホガニー材等も通常より良い物を使っているのかもしれません。












レスポール リイシュー 1989年製 レスポール リイシュー 1989年製

値段が安かったのと、杢目が良かったので購入したリイシューです。。
リイシューのシリアル・ナンバーは製造年の下一桁+スペース+4桁の数字なので、1989年製は9から始まるので少し人気があります。
コントロール・キャビティに黒い導電塗料が塗られている位で、後は初期のリイシューとそんなに変わっていません。
でも、初期のリイシューは59万円もしたのに、この頃は44万円で売られていました。
ちなみに1990年代に入ると、リイシューは63万円になりますので、この当時に買った人はラッキーだったかも。













レスポール・スタンダード・リミテッド・カラー 1991年製 レスポール・スタンダード・リミテッド・カラー 1991年製

綺麗な色と値段が安かったので購入したリミテッド・カラーのスタンダードです。
バイオレット・ブルー・サンバーストという色で、周囲が青で中央が藤色(トランス・ルーセント・パープルより青みが強い)です。
塗装を透けて木目が見えるのですが、トラ杢自体は薄っすらとしか入っていません。
ゴールド・パーツ、ブラック・エスカッション、グローバー・ペグ、オールドタイプのチューン・O・マチック・ブリッジ、スピード・ノブ、ヒール・レス・ジョイント(!)という仕様です。
当時のカタログにはカスタム・ショップ製と書かれていますが、特にカスタム・ショップのマークとか入っていません。
しかし、レギュラー・モデルよりは作りも良く、木材も良い物を使用しているみたいで、かなり良い音で鳴っています。









レスポール・60フレイムトップ・リイシュー 1992年製 レスポール・60フレイムトップ・リイシュー 1992年製

レスポール・リイシューは、1991年から59フレイムトップ・リイシューと60フレイムトップ・リイシューの2機種に分かれました。
こちらは、1960年製を元にしたスリムネックの60フレイムトップ・リイシューになります。
もっとも、1990年から1960年タイプのスリムネック仕様を採用したレスポール・クラッシックが登場しています。
実は、このモデル、木部は基本的にレスポール・クラッシックと同じで、違いはトップのフレイムが派手に出ているだけです。
そして、ピックアップ等のハードウェアで差をつけています。










ヒストリックコレクション・1960レスポール・リイシュー 2011年製 ヒストリックコレクション・1960レスポール・リイシュー 2011年

クロサワ楽器の55周年記念モデルです。
クラプトンのシグネーチャー・モデルに搭載されたカスタムバッカーというピックアップに興味があったのですが、高価なアーティスト・モデルにしか搭載されませんでした。
そんな時、このショップ・オリジナルモデルにカスタムバッカーが搭載されて、比較的値段も安かったので購入しました。
それほど強力でないAAランクのフレイムが入ったセレクト・メイプルを使っていて、オールドっぽい雰囲気です。
1960スタイルでペグはグローバーだし、フィニッシュの雰囲気も、クラプトン・モデルを意識しているような感じがします。










レスポール・クラシック 1990年製 レスポール・クラシック  1990年製

下記のクラシック・プラスを購入したところ結構良かったので、さらに購入したシリアル・ナンバー0 xxx(4桁)を持つ初年度1990年製のクラシックです。
ちなみに、1990年の後期には0xxxx(5桁)になります、また、初期の物には9 xxxのシリアルを持つものも若干存在するそうです。
セラミック・マグネットを使ったピックアップは、未だ裏にパテントナンバーが刻印された2芯シールドのものです。
このピックアップの音はオールドには似ていませんが、アメリカンロック的な個性があり、ネックが薄くフレットも太目で弾き易いので、楽器として評価すればコストパフォーマンスは高いと思います。
さすがに木材はコストを抑えていますが、ちょこちょこっとフレイムが入った薄めのハニー・バースト・フィニッシュは、見た目ではオールドっぽい感じがします。
4.5kgと重めでバランス的にも違和感が無いため、スイスチーズ加工がされてないのではないかと思っているのですが。。。。

<注>スイスチーズ加工とは、オールドのように軽いマホガニーが手に入りにくくなったため、1982年頃にナッシュビル工場で始まった肉抜き加工のこと。







レスポール・クラシック・プラス 1991年製 レスポール・クラシック・プラス  1991年製

某楽器店の企画でNorman's Rare Guitar'sのコレクションを国内販売した時に見つけたクラシック・プラスです。
2001年製ということになっていましたが、実際は初年度1991年製でした。
クラシックはシリアルナンバーの頭の数字1桁が製造年で、しかもミント状態のため間違えたのでしょう。
それに、クラシック・プラスは1991年後半に登場しますが、当初はアンバー、レッド、パープルの3色のみで、ほとんど市場に出ませんでした。
1992年にサンバーストが登場してから広く流通するため、1992年製造開始と書かれている資料もあり、それも間違えた原因かもしれません。
よく見れば、ヘッドにlesPaul CLASSICではなくLesPaul MODEL(MODELの書体は異なる)と書かれており、カッタウェイ部分のバインディング幅が均一等、1993年頃までの仕様だと判ります。
ゼブラのピックアップは珍しいですがオリジナルという事で、確かに交換した形跡がないことから、最初からこれが付いていたと思われます。
フロントが4芯のgibsonUSAの刻印で、リアも4芯ですがパテントナンバーの刻印となっており、初期モデルということで試行錯誤があったことが伺えます。
なお、真偽は不明ですが、最初期のアンバーはトム・マーフィー自ら仕上げていたという話があります。






レスポール・クラシック・プラス 1993年製 レスポール・クラシック・プラス  1993年製

こちらも、未だヘッドの表記がLesPaul MODEL時代のクラシック・プラスです。
オプションのトランスルーセント・レッド・フィニッシュが珍しいです。
また、フレイムを強調するため、ピックガードは元から装着されていませんn。
本来は、オープン・タイプのピックアップなのですが、前の持ち主がピックアップ・カバーを付けたようです。
やはり、ヒスコレ登場以前のLesPaul MODEL表記のクラシックは品質が良いですね。










レスポールデラックス 1972年製 レスポールデラックス 1972年製

チェリーレッド・サンバーストが退色して、ティー・バーストぽくなった雰囲気が良くて購入しました。
いわゆるラージヘッドとスモールヘッドの中間の大きさのヘッドで、ネック・ジョイントの中子は、指板エンドから5mm程度しかありません。
カッタウェイ部分のバインディングはトップのメイプルに合わせて厚みが変っています。
3ピースのマホガニー・ネック、パンケーキ・ボディですが、鳴りは結構良いです。
ミニ・ハムバッカーは思ったより出力がありますが、少し高音が強すぎてファットさに欠ける気がします。










レスポールデラックス 1969年製 レスポールデラックス 1969年製

初年度のデラックスです。
未だ、1969年後半製のP90搭載のスタンダードとほとんど変わりません。
3ピースネックですが、ボリュートはありません。
また、ボディは未だ1ピースです。
意外なことに、この構造のせいか、ミニ・ハムバッカーのせいか、ちょっと1959年製バーストに似た音がします。
ひょっとしたら、上記1969年製スタンダードにPAFを載せた物よりも、似ているかもしれません









レスポール・カスタム 1969年製 レスポール・カスタム 1969年製

非常に珍しい、オリジナル3ピックアップのレスポール・カスタムです。
調べてみると、他にも数本1969年製の3ピックアップは存在するようです。
再生産が始まった翌年なので、50年代と同じ仕様を望んだカスタム・オーダーなのかもしれません。
ネックはボリュート無しの3ピース、ネックジョイントはショート・テノン、ボディ・バックは1ピース・マホガニー、ボディトップは3ピースのメイプルです。
ピックアップは、当然、ステッカー・ナンバードが3個ついています。
ツマミはオールドの様なものに交換されていて、見た目は良いのですが、滅茶苦茶重いギターです。









レスポール・カスタム '54 Limited 1973年製 レスポール・カスタム '54 Limited 1973年製

1972年に発表され、1000本あまり製造された1954年の復刻版リミテッド・エディションです。
これは、何故かポジション・マークがES-335やレスポール・レコーディング等と同じスモール・ブロックのため安くなっていました。
しかし、こちらの方がレアだし、音に変わりはないので購入しました。
よく見ると、ロッド・カバーの位置がオールドでもあまり見かけないくらい上にあるのも、他の同型ギターと違っています。
(製作した職人の気まぐれでしょうか?)
フロントのアルニコVピックアップはP90よりパワー感があり音がくっきりしています。
マホガニー・ワンピースのボディや細くて低いフレットという事もあり、ロックには向いていません。








レスポール・カスタム・20thアニバーサリー 1974年製 レスポール・カスタム・20thアニバーサリー 1974年製

ギブソン社初のアニバーサリー・モデルとなった、レスポール・カスタム・20thアニバーサリーです。
記録では、ホワイト・フィニッシュとブラック・フィニッシュしか作られなかったことになっています。
しかし、チェリー・サンバースト以外のカラー・フィニッシュでも、少数ですが存在が確認されています。
といっても、普通の1974年製のカスタムとの違いは、15フレットのポジションマークにTWENTIETH ANNIVERSARYと書かれているだけなのですが・・・・
未だクルーソン・ペグですが、ピックアップはパテント刻印入りになっています。










レスポール・カスタム・20thアニバーサリー 1974年製 レスポール・カスタム・20thアニバーサリー 1974年製

こちらもレスポール・カスタム・20thアニバーサリーです。
ギブソンのシッピングリストにホワイト・フィニッシュが初めて登場するのは1975年、おそらく20thアニバーサリーもこの中に含まれていると思われます。
70年代前半仕様のホワイト・フィニッシュは、ランディ・ローズやセックスピストルズのスティーブ・ジョーンズの使用で人気があります。
この二人ののギターにはTWENTIETH ANNIVERSARYの文字は書かれていませんが、1975年後半にはナッシュビル製にモデルチェンジしてしまうので、同時期に製作されたものと思われます。
ちなみに、スティーブ・ジョーンズのギターはトラスロッドカバーが外されており、そこから見える木目はメイプルのようです。
下記の1975年製カスタムのように、75年には70年代前半の仕様でありながらメイプルネックの物が稀に存在します。









レスポール・カスタム 1975年製 レスポール・カスタム 1975年製

1975〜76年のシリアル・ナンバーは通常デカールなのですが未だ刻印されており、番号自体も1970〜72年に使用された900000番代です。
1975年製にたまに見られるのですが、楽器店によっては1975年製を1970〜72年製として売っていることがありますので、注意が必要です。
チェリーレッド・フィニッシュは1971年から1975年までに2500本弱作られ、その後ワインレッドにバトンタッチされています。
(1950年代のレスポールカスタムにも、若干ですがチェリーレッドフィニッシュは存在します)
チェリーレッド・フィニッシュとしては最後期なので、未だオールドタイプのチューン・O・マチック・ブリッジですが、メイプル・ネックになっています。
ネック・ジョイントの中子は指板エンド+エスカッションの幅までで、ボディ側にはルーティングがしてあるのですがピックアップ・キャビティ側には突き出していません。
この70年代前半のジョイント方法のメイプル・ネックとABR-1ブリッジという組み合わせは、74年以前とも76年以降とも異なる、ロック向きのサスティーンがあり固めながら厚みのある独特のサウンドを持っています。
その他の特徴としては、グローバー・ペグでパテント刻印入りピックアップ、カッタウェイ部のバインディングは未だ均一な幅になっています。







レスポール・カスタム 1976年製 レスポール・カスタム 1976年製

上記の1年後ですが、ペグはシャーラー製のgibson刻印入り、ナッシュビル・チューン・O・マチックのブリッジになっています。
ネック・ジョイントの中子は、もうピックアップ・キャビティからは見えません。
レスポールって、例のディストーションサウンドだけでなく、歪ませない場合は高音から低音までまんべんなく出て、意外といろんなジャンルに合う優等生サウンドなんですよね。
ここいらへんが売れる原因ではないのでしょうか?
特徴のあるサウンドを出すギターは沢山あるが、こういったタイプのギターは探すとあまり無いですね。
そういえば、ストラトキャスターもフェンダーギターの中では一番高音から低音までまんべんなく出るだけでなく、例のフェイズアウトサウンドという売りの音を持っていますね。









レスポール・カスタム 1989年製 レスポール・カスタム 1989年製

35周年記念モデルのカスタムです。
ヘッドのインレイにその旨が書いてあります。
当時としては珍しく、ボディはオールマホガニーです。
塗装が悪く、皮がむけるようにはがれてきます。
ピックアップはダンカン59に交換してあります。










レスポール・アーチザン 1978年製 レスポール・アーチザン 1978年製

キンクスが使っているのを見て、なんて美しいギターだろうと思っていました。
ある日、楽器屋の中古国産ギターのコーナーに6万円で置いてあるのを発見、即座に購入しました。
どうやら、オールドと同じスクリプト・ロゴなので、店員がギブソンとは思わなかったようです。
ほとんど黒に思える、木目が見えるウォールナットフィニュッシュにゴールドパーツで高級感があります。
高級機種に使われた、ビル・ローレンス設計の樹脂で固めたハムバッカーが3個付いて、滅茶苦茶重いギターです。










レスポール・ジュニア 1957年製 レスポール・ジュニア 1957年製

ネックをリペアした跡があります。
変なサンバーストですが、どうやら元はTVモデルで、ネック修理の時に同じようなイエローの塗料が無かったため、ネックをブラウンに塗装したついでにボディの周辺もスプレーしてサンバーストにされたようです。
(裏側もサンバーストに塗装されています)
音は良いのですが、チューニング等の扱いやすさに問題があります。











レスポール・ジュニア 1961年製 レスポール・ジュニア 1961年製

珍しい、1961年製のレスポール・ジュニアです。
この時期、すでにSGにモデル・チェンジしているので、おそらく、残っていた在庫を出荷したのでしょう。
シリアルナンバーはヘッド裏に刻印されています。
このダブルカッタウェイのジュニアは、結構、有名ギタリストに愛用されていますが・・・ハイ・ポジションも弾きやすいし、音も凄く良いです。











レスポール・スペシャル 1960年製 レスポール・スペシャル 1960年製

通説では、1958年にダブルカッタウェイにモデルチェンジし、1959年にSGと名称変更し、前後してフロントピックアップがブリッジ寄りへ移動するのですが。
これは1960年製なのに、何故かヘッドにLesPaulの文字があり、フロントピックアップもネック寄りです。
ネック寄りの方がサウンド的には良いのですが、強度的には弱いので取り扱いの注意が必要です。
1960年製のカタログでは、クリーム・フィニッシュのSG-Cは195ドル、チェリーレッド・フィニッシュのSG-Rは195.5ドルとなっています。
TVモデルが高価だったJrと異なり、モデルチェンジで追加されたチェリーレッドの方がオプション扱いで高価だったのが判ります。
余談ですが、モデルチェンジ当時のカタログではライムド・マホガニーフィニッシュとされていたのが、何故かクリーム・フィニッシュと呼び方が変更されているのも興味深いです。
名称変更と合わせて考えると、将来SGモデルで本当のクリーム・フィニッシュに変更する計画が既にあったのでしょうか?








レスポール・スペシャルDC 1977年製 レスポール・スペシャルDC 1977年製

1959〜61年に作られたダブルカッタウェイのレスポール・スペシャルの再生産版です。
1974年にシングルカッタウェイのレスポール・スペシャル(1955〜58年)の再生産版(レスポール55)が発表されますが、ダブルカッタウェイの要望も多いため1976年後半〜1977年にそちらも限定再生産されました。
その後、この限定再生産が好評だったためレギュラー製品として生産が続けらることになります。
このギターは限定再生産の時期にあたるので、ヘッド裏にはLIMITED EDITIONと書かれています。
ネックは20フレットでジョイントされており、22フレットジョイントのオールドのようにテノン(中子)が両ピックアップの間まで延びているのを隠す必要がなく、ピックガードが小さくなっています。
その他にも、ラージヘッド、シャーラー・ペグ、ナッシュビル・チューンOマチックブリッジ、サンバースト・フィニッシュ等、オールドとかなり違った仕様となっています。
サウンドの方は、図太いながらも切れが良く、かなりオールドに近い印象です。








レスポール・レコーディング 1972年製 レスポール・レコーディング 1972年製

レスポール氏のアイデアによるロー・インピーダンス・ピックアップ搭載のレコーディングです。
これ以前のパーソナルとプロフェッショナルという同ピックアップを搭載したモデルのモデル・チェンジ版にあたります。
その2機種は、ロー・インピーダンス用のアンプでしか使えませんが、これは、切り替えスイッチでハイ・インピーダンス用にも対応できるように改良されています。
また、その2機種は、ボディ・サイズも通常のレスポールよりも大きかったのですが、これは通常サイズになっています。
ちなみに、初期モデルだけはABR-1ブリッジですが、これ以降は、ワイドトラベラー・ブリッジに変更されています。










(おまけ)レスポール・リイシューあれこれ




<ギブソン・エレキギターに戻る>