ファイアーバード

ギブソン ファイヤーバードT 1965年製 ギブソン ファイヤーバードT 1965年製

リバース・ボディとノンリバース・ボディの変更期に作られたレアなトランジション・モデルです。
一見すると、通常のリバース・ボディのファイヤーバードTですが、ヘッドの段差加工が無く、通常のクルーソン・ペグが搭載されています。
それも、6連のクルーソンなのですが、ツマミがギブソン独特の2コブ・キーストーンです。
他にも、トランジション・モデルのファイヤーバードTを見た事がありますが、普通の6連クルーソンの楕円形のツマミでした。











ギブソン ファイヤーバードT 1965年製 ギブソン ファイヤーバードT 1965年製

こちらもレアなトランジション・モデルのP90を2個搭載したギターです。
さらに、ヘッドも段差無しで、通常のクルーソン・ペグが搭載されています。
TかVか微妙ですが、P90が2個はノンリバースのTだし、さらにトレモロ・ユニットがリバースのTと同じです。
というわけで、どちらかというとTだと思っています。











ファイアーバードV 1965年製 ファイアーバードV 1965年製

ノンリバース・ヘッド・リバースボディのファイアーバードです。
ヘッドがノンリバースになると弦のテンションが変わって、音も若干変わります。
色はこの時代特有の濃いめのチェリーのサンバーストです。
また、アームバーは既にノンリバースボディ時代の物と同じになっています。











ファイアーバードX 1963年製 ファイアーバードX 1963年製

ノーバードといわれる、ピックガードに鳥のマークのない初期のファイアーバードです。
ネックも2ピースで、ブリッジはスタッド型です。
ファイアーバードは持ったときのバランスが悪いので、ストラップピンはネックの付け根に移動してあります。












ファイアーバードX 1964年製 ファイアーバードX 1964年製

こちらは、ピックガードに火の鳥マークが入り、ネックも9ピースになった1964年製です。
ブリッジもABR-1になり、曲面加工されたナットで、トレモロを動かした時にブリッジが連動して動くようになっています。
ファイヤーバードというと、イメージするのがこの時期のXなので、押さえておきたいところです。












ファイアーバードZ 1964年製 ファイアーバードZ 1964年製

一瞬オリジナルとおもうほど、古い時期に黒にリフィニッシュされてようで・・・クラッキング等で貫録バッチリです。
もっとも、当時のギブソンのカラーチャートには、ブラックはありませんでした。
しかし、サンバーストはゴールドのツマミなので、元も違う色のフィニッシュだったのかもしれません。
3ピックアップ仕様なのですが・・・トグル・スイッチのセンターは、フロントとセンターのミックス・・・コントローラの配置も他のギブソンと異なるので、操作するときに混乱します。
ゴールド・パーツで、エボニー指板、ブロック・インレイが特徴で・・・なにはともあれ、見た目が最高です。










ファイアーバードZ 1963年製 ファイアーバードZ 1963年製

こちらは初年度のファイアーバードZです。
初年度は僅か20本しか出荷されてなく、仕様が後年の物と異なります。
ネックが2ピースで、ピックガードに鳥の絵が無くノーバードと言われています。
さらに、バンジョーペグのツマミがプラスチック製なのも初期の特徴です。
ちなみに、先行でバンジョーペグが採用されたEB-1もプラスチック製のツマミでした。










ファイアーバードZ 1965年製 ファイアーバードZ 1965年製

モデル・チェンジしてノンリバース型になったVIIです。
ノンリバース型はおとなしめなデザインですが、VやVIIのようにロング・ヴァイブローラが装着されると結構カッコ良く見えます。
VIIは生産本数が少なく、合計388本製作されたうちリバース型が約250本、ノンリバース型が150本弱となっています。
ストーンズのブライアン・ジョーンズ等の使用で印象が強いですが、意外と市場には出てきません。
リバース型VIIのエボニー指板と異なりハカランダ指板で、ボディも共通の物を使っていますので、Vとの違いはピックアップ数とゴールドのハードウェアだけです。
リバース型の重量バランスの悪さはかなり改善されていますが、未だ大きめなヘッドが災いして、弾いているとヘッドが下がってきます。
また、ネックが遠いためローポジションが弾きづらく、ネックジョイントがボディから飛び出しているのでハイ・ポジションも弾きやすくありません。








ファイアーバードV 1965年製 ファイアーバードV 1965年製

こちらもモデル・チェンジ後のノンリバース型になったVです。
ピック・アップは未だリバース型のアルニコマグネットのバー・ポールピースを使ったものを搭載しています。
この後、ボビンを横倒しにしたピック・アップに変更されますが・・・両者ともカバード・タイプなので外観は同じです。
ボビン横倒しタイプは高音がきつく扱いづらいです。
ちなみに、ノンリバースの後期とメダリオンはボビン横倒しタイプ、建国200年は両者のピックアップが入り混じっています。










ファイアーバード 1976年製 ファイアーバード 1976年製

建国200年モデルのファイアーバードです。
ピックガードのマークには76という数字が入っています。
ネックは2ピースです。
ショルダー部がなで肩で、バックのコンター加工が無いのが再生産の特徴です。
音に関して、建国200年のファイアーバードはメダリオンと違って、オールドとあまり差が無いように感じます。










ファイアーバードV 1982年製 ファイアーバードV 1982年製

いわゆるファイヤーバード82と言われるレアな1982年製モデルです。
ペグが普通のシャーラ―になっていますが、トランジション・モデルと異なりヘッドの段差加工があります。
もっとも、ヘッドが細身になっており、段差の低い部分の幅を狭くして、ペグのツマミが届くようになっています。
基本的には建国200年モデルと同様の仕様で、ゴールド・パーツ、バック・コンター無し、なで肩、2ピースネックです。
シースルーレッドのフィニッシュで、アジャスト可能なTP6テールピースが付いています。










ファイアーバードV GuitarTrader 1982年製 ファイアーバードV GuitarTrader 1982年製

ギブソンのカラマズー工場を訪れたGuitarTrader社員が60年代のレフトオーバー・パーツを見つけたのを機にオーダーされたファイアーバードVです。
"Very Limited Re-issue! Firebird V"として1982年から1983年に15本製作され、ホワイトとサンバーストがありましたが共に1,250ドルで販売されました。
(ちなみに、有名なGuitarTraderのレスポール"59 Flametop The Ultimate Re-issue!"は47本製作され1,595ドルで販売されています)
このHPを作るきっかけになった"Guitar's Guitar's Guitar's"という書籍やGuitarTraderの"Vintage Guitar Bulletin"にも載っており、存在自体は昔から知っていたのですが、やっと巡り会えることができました。
GuitarTraderによると63年スペックとなっていますが、大きめのヘッドやなで肩のボディなど、建国200年モデルの影響がみられます。










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