その他のウクレレ 1

S.S.スチュワート ウクレレ 1923〜25年 S.S.スチュワート ウクレレ 1923〜25年

S.S.スチュワートは戦前のバンジョー・メーカーで、マーチン社の記録によるとウクレレは1923〜1925年の間OEM製造したそうですが、このウクレレがマーチン製かどうかは不明です。
基本的にはマーチンのスタイル2Kに似ていますが、ヘリンボーンのような寄木細工のバインディングがトラ目にマッチして、非常に美しいウクレレです。
内部の作りは本物のマーチンに比べて雑ですが、音は本物のマーチン同様に素晴らしいです。
それから、昔のウッド・フリクション・ペグなので、チューニングに難があります。

 









ウェイマン&サン ウクレレ 1925年 ウェイマン&サン ウクレレ 1925年

マーチン社の記録では1925年にウェイマン&サンにOEM製造したとあります。
ウェイマン&サンはマーチンの他にベガ、リーガル、S.S.スチュワートの楽器も自社ブランドで販売していた会社です。
一見マーチンのスタイル1Kとまったく同じにみえますが、スタンダード(ソプラノ)タイプのボディでコンサートタイプに近いスケールを採用しています。
そのため、ネックが長く、ブリッジ、サウンドホールがボディエンド寄りに移動しています。
また、弦のテンションに比例して強度をあげるためにファン・ブレイシングを採用しています。
マーチンがコンサートタイプを製造するのが1925年からなので、ひょっとすると試作品を別ブランドに流したのかも?
ペグ・ボタンは未だ象牙の時代の物で、色が薄くうっすらとトラ目出たのコアを使用していて、音はやや硬めです。








ディトソン ドレッドノート スタイル0 ウクレレ 1927〜30年 ディトソン ドレッドノート スタイル0 ウクレレ 1927〜30年

ドレッドノートタイプのギター開発にまつわる話で、マーチンの別ブランドとしては一番有名なのがオリバー・ディトソン社です。
マーチン製のディトソンのウクレレは、通常ボディの他にギター同様にワイドボディのドレッドノートと呼ばれるサイズがありました。
マーチンがディトソンのウクレレを製作したのは1916〜1930年ですが、スタイル0にエボニー製のナット・サドルが採用されるのは1927年からです。
ボディ内にはディトソン社のスタンプが押されていますが、ヘッド裏にはマーチンのロゴが刻印されています。
ボディにうっすらとトラ目がでていますが、マホガニー製です。
ワイドボディということで、通常のマホガニー製のマーチンより音量と中低音があるので、より深みのある音です。









ギブソン UKE-2 1926〜27年 ギブソン UKE-2 1926〜27年

ギブソン UKE-2は1926年から1937年まで製作されますが、1928年から17フレット指板に変更されるので、これは27年までの12フレットモデルです。
特徴は、シルクスクリーンのThe Gibosnロゴ、牛骨のナットとサドル、ホワイトボタンのペグ、ロープ・バインディングのサウンドホール飾り、スモール・ドット・ポジションマーク、トリプルのトップバインディング等です。
仕様によると、バックもシングルバインディングのはずですが、なぜかこれにはありません。
トップバインディングだけというと、1937年から1955年までのUKE-1と似ていますが、そちらは白黒白のサウンドホール飾り、ラージ・ドット・ポジションマーク、13フレット指板等の違いがあります。
また、1933年からはTheの無いGibosnロゴです。
作りは良いのですが、音はマーチンに比べると若干劣ります。









ギブソン UKE-1 1928〜33年 ギブソン UKE-1 1928〜33年

UKE-1もUKE-2同様に1926年に発売され、1928年からこのように17フレット指板となります。
また、シルクスクリーンのThe Gibsonのロゴも1933年頃までとなっています。
UKE-2との違いは、バインディングが無い、ナットとサドルがエボニー製、ペグ・ボタンが黒となっています。
資料によるとフィニッシュがライト・アンバーとなっていますが、このようにUKE-2同様に暗めのマホガニー色の物も多いです。
マーチンの17フレットモデルは高価ですが、ギブソンの17フレットモデルはかなり安く(マーチンのスタイル0より安価)買えます。
一般的には、音はマーチンより劣りますが、名前だけで最近のマーチンや状態の悪いマーチンを買うぐらいなら、という気もします。









ギブソン UBー3 ウクレレバンジョー 1926〜33年 ギブソン UBー4 ウクレレバンジョー 1926〜33年

ギブソンのウクレレ・バンジョーです。
ウクレレバンジョーはウクレレより先の1924年から製造を始が始まり、1939年まで作られました。
なお、The Gibsonのロゴは1933年までです。
普及版のUBー1はたまに見かけますが、ひとまわり大きいリゾネータ付きの高級機種UBー4は非常に珍しいです。
UBー1はソプラノスケールですがこちらはコンサートスケールを採用しています。
音量が大きく、弾いた瞬間はウクレレぽいですが、残響音はバンジョーです。









T.B.Co. ウクレレ 1930年代 T.B.Co. ウクレレ 1930年代

トンク・ブラザースはシカゴの大手楽器販売会社でウォシュバーン等のブランドで有名です。
楽器自体はギブソンやリーガル等が製造していました。
テーパーがあり化粧板がついたヘッドはギブソン製のUBに似ている気がします。
ボディ、フィンガーボード、ヘッドの化粧板はコアで作られています。
同時代のマーチンやギブソンと同じスプリング入りのペグがついていますが、マーチンやギブソンの物にはブランド名がついていないのに、これにはしっかりグローバーの刻印が入っています。
ボディが小さいので、サウンドも軽目です。









ウォシュバーン  1923〜28年 ウォシュバーン 1923〜28年

リヨン&ヒーリイ社のブランド、ウォシュバーンは1883年からギター製作を始め、そのクォリティからギブソンやマーチンと並ぶ名門でした。
ウクレレは、1916年頃から製造を始めますが、当初はハワイ製を真似たフィンガーボードの無い小振りのマホガニー製で、1923年頃からこのモデルの様に実用的な形になります。
リヨン&ヒーリイ社は1928年に廃業、後にウォシュバーンのブランド名は前述のトンクブラザースが入手することになります。
サウンドホール内にはリヨン&ヒーリイ社のスタンプが、ヘッド裏にはWashburnのブランド名と通常はモデル番号が刻印されている場所にUFという文字が刻印されています。
5316というモデルに似ていますが、材質はマホガニーでなくコアのようです。
マーチンのソプラノより若干大きいサイズですが、サウンドはよく似ています。
このサイズはコンサートという名称で、さらに一周り大きいテナー(グランド・コンサート)というのもありましたが、マーチンが対向上さらに大きいコンサートとテナーを発売し、現在はそちらのサイズが標準になっています。







MAUNA LOA 1920年代 MAUNA LOA 1920年代

¥15,000と格安で購入した(上記Washburn同様に)リヨン&ヒーリイ社製のウクレレです。
リヨン&ヒーリイ社はCAMP−UKE、VENETIAN−UKE等の廉価版を製造していましたが、これもその一つです。
廉価版の特徴として、社名が入って無く、指板もありません。
ブリッジはスマイル・ブリッジという物でリヨン&ヒーリイ社の特許です。
ペグはWashburnと同じ物で、ヘッドのロゴはCAMP−UKE同様に直に彫ってあります。
その他の特徴は、トップ側にバインディングがあり、サウンドホール周りにも飾りペイントしてあります。
ボディはオール・マホガニー単板で、Washburnより若干サイズが小さいですが、ギブソンなどより素晴らしいマホガニーサウンドを聴かせてくれます。
なお、MAUNA LOAというモデル名はこのほかにプラスティック製を含め幾つかのメーカーで作られています。






VENETIAN−UKE 1920年代 VENETIAN−UKE 1920年代

こちらもリヨン&ヒーリイ社製廉価版ウクレレのVENETIAN−UKEです。
例によって社名がないのでNo Brand扱いで¥9,800でした。
ペグがウッド・フリクション・タイプなので、かなり初期の物だと思われます。
見ての通りボディはティアドロップ型でかなりコンパクトです。
形状やネック付け根の処理からみると、70年後に登場するマーチンのバックパッカー・ウクレレを連想させます。
ヘッド裏にPAT.APLD.FORの刻印があります。
これは上記Washburnにも見られるのですが、一体何の特許なんでしょうか?
ボディの材質はおそらくバーチで、音は今ひとつです。






ハーモニー No. H555 Roy Smeckモデル 1960年代 ハーモニー No. H555 Roy Smeckモデル 1960年代

当時、弦楽器の魔術師として有名だったRoy Smeckのシグネーチャー・モデルです。
Roy Smeckの人気のおかげで、ハーモニー社ウクレレの最高機種(といっても15ドル)でありながら100万本を売ったという記録が残っています。
ハーモニー社のウクレレはカラフルなペイントが有名ですが、これは最高機種なのにバインディングも無いシンプルなデザインとなっています。
そのかわり良質のマホガニー単板で作りも良く、音質重視の設計になっています。
Roy Smeckが実際に弾いている写真も残されているので、一応プロ向けだったのでしょう。
なお、ハーモニー社の特徴であるアキュレイトリー・モールデッド・フィンガーボード(プラスチック製)はライフタイムの保証がついていたそうです。
この指板のおかげで少し弾きづらいですが、音はなかなか良いです。








Kaholas 1930年代 Kaholas 1930年代

あるショップに飾られていて、絵がきれいなのでずっと気になっていたのですが、聞いたことのないメーカーなので少しためらっていました。
その後ハワイの古いウクレレの資料を見ていたら、往年の一流メーカーだと判明したので購入することにしました。
ハワイ製のオールドといえば、ウクレレの原点のヌネス、唯一現存するメーカーのカマカ、工場体制で大量生産をおこなったクマラエ(ロイヤル・ハワイアンやY' KE KE等のブランドも生産していた)ぐらいしか現在では知られていません。
しかしウクレレブームの1920年代末には約15のメーカーがハワイには存在しており、その中では、このKaholasやKaai、Echo、alohaなどの評価が高かったようです。
ウクレレとしては珍しいメイプル製ですが、指板が無い、アーチバック、真鍮フレット、裏板がネックの付け根までカバーする等の古いハワイ製の特徴を備えています。
残念ながらブリッジは付け替えられており、ペグもオリジナルでない可能性が高いです。
ペイントはHarmonyやRegalに見られるステンシルではなく、最初期のカマカパイナップル同様に筆で描かれています。
サウンドはメイプルらしく、くっきりしたものですが、強く弾かないと鳴らなく強弱もはっきりしています。
それにしても、メイプルワンピースネックは後に登場するフェンダーギターを連想せずにはいられません。







Kaholas 1920年代 Kaholas 1920年代

お茶の水に新たに開店した楽器屋さんで、¥12,000で購入したKaholasです。
Ukulele hall of fameのページにも載っている名器なのに、アメリカ本土で作られたハワイ製コピーなんかのチープな物と一緒に並んでいました。
店員さん自身がウクレレに詳しく無いと言っているだけあって、なんと1本だけでは無く、他にもハワイ製のビンテージが紛れて安く売っているという信じられない事態・・とりあえず一番状態が良かったコレをゲットしました。
さらに「ウチのウクレレには全てハードケースが付きます」だって、泣かせてくれます。
最近はウクレレの情報も増えてきましたが、まだ掘り出し物があるようですね。
上記のKaholasに比べるとボディ・シェイプがヌネス等に近く、年代が古いことが判ります。
ペグもヌネス等の初期のウクレレにみられる白いプラスティック(?)のフリクション・ペグです。
ボディはマホガニーのようで、とても大きな音がします。








kalai パイナップルモデル 1940年代 kalai パイナップルモデル 1940年代

1940年から1946年の間にカマカがハウス・オブ・ミュージックのオーナーだったJohnny Laiのために製作したのがkalaiです。
カマカHPによるとJohnny Laiが閉店後の夕方と週末にカマカの工場を使って製作した事になっていますが、実際はカマカの職人が製作したようです。
KamakaとLaiの名前を合体してka-laiと命名されましたが、その後にハワイ語の音に近いKa-Laeに名前が変更されています。
基本的には、パイナップルデカールのオールド・カマカと同じです。
kamakaではなくka-laiと書かれた薄茶のラベルもパイナップルの絵柄入りです。
もちろん、ラベルに書かれているパテントナンバーはカマカの物が書かれています。
カマカHPによるとka-laiの材質はモンキーポッドとなっていますが、実物は当時のカマカ同様マホガニーに似た感じのコアで作られていて枯れた鳴りの良い音です。
製作本数は少ないのですが、パイナップルデカールのオールド・カマカよりかなり安く入手できました。




 




kalai スタンダードモデル 1940年代 kalai スタンダードモデル 1940年代

上記と同じkalaiのスタンダードモデルです。
指板やサウンドボード周りのパーフリングなど、kamakaと違ったイメージです。
しかし、ボディ&ネック、ブリッジの作りはカマカらしいです。
ボディ内のラベルは水色で、当然パイナップルモデルのパテントナンバーは書かれていません。
材質はマホガニーですが、コア製のカマカと似た音色です。







 




ALOHA パイナップル 1950年代 ALOHA パイナップル 1950年代

Aloha ukulele companyは1910年代創業のハワイのウクレレブランドです。
後年には観光客用のブランドとなり、ウクレレ自体はカマカ等の複数のメーカーで作られていたようです。
(ヘッドにalohaのロゴデカールがあって、ボディ内のラベルはkamakaという代物も存在します)
これも、恐らくカマカで作成されたものだと思います。
ヘッドのデカールはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIと描かれています。
材質はオールド・カマカ同様にマホガニーに似たコアを使っています。
その他の特徴は、真鍮フレット、サドル付きブリッジ、トップ、バック、サイドとも単板、裏板がフラットでネックのヒールまでカバーしていない等です。
ボディは若干小さめですが音量はかなりあり甘い音です。
 









ALOHA パイナップル 1940年頃 ALOHA パイナップル 1940年頃

こちらもALOHAのパイナップル・モデルです。
未だウッド・フリクション・ペグが使われていることから、上記のものよりは若干古いと思われます。。
上記の物と同様にヘッドのデカールはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIと描かれています。
パイナップル・モデルは1928年から14年間カマカのパテントだったため、米国の他のメーカーは製造できませんでした。
また、ウクレレ・ブームが去った1930年代末にはハワイのウクレレ・メーカーは次々と廃業し、カマカが唯一のメーカーとなっていました。
作りからみても、これもカマカのOEMだと推測されます。
材質は、この当時のカマカでも使われていたモンキー・ポッドです。
同時期カマカのコア製のパイナップル・モデルよりも音色は良いです。
 









ALOHA Duke Kahanamokuモデル 1960年代 ALOHA Duke Kahanamokuモデル 1960年代

こちらは上の物より若干新しいアロハのパイナップルモデルです。
ボディの作りとサイズは同年代のカマカと同じで、ボディの材質はマホガニー(濃い茶色に着色してある)でトップ、バック、サイドとも単板、指板とブリッジはローズウッドです。
その他、トップ側のバインディング、パーフリング、ブリッジの3個のドット・インレイ等の特徴がありますが、これもカマカの高級機種で見かける仕様です。
ボディに書かれているDuke Kahanamokuはハワイの英雄で、2度のオリンピック水泳金メダリスト、初の殿堂入りしたサーファー、そしてハリウッドの映画スターだったそうです。
その後、経緯は不明ですがアロハシャツ等のサーフブランドにその名前が使われます。
Duke Kahanamokuの文字と一緒にボディに書かれているマークから、恐らくこのウクレレもそのサーフブランドで扱われていた物のようです。
このDuke Kahanamokuの文字は、色々なメーカーのウクレレのボディに書かれているのを見かけます。
サウンドは、材質は違いますが70年代のカマカ・パイナップル(コア製)と良く似ています。






ALOHA Duke Kahanamokuモデル 1960年代 ALOHA Duke Kahanamokuモデル 1960年代

こちらは、スタンダード型のALOHA Duke Kahanamokuモデルです。
ヘッドにはALOHAという文字とハワイの紋章が印刷された丸いシールが貼られています。
ブリッジに3つのパール・ドット・インレイが入れられていますが、ボディのバインディングはありません。
カマカ・ジャパンによる製作と思われ、keikiと作りやサウンドがほぼ同じです。










ALOHA スタンダード 1973年製 ALOHA スタンダード 1973年製

これもカマカのOEMのALOHAです。
ヘッドのデカールはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIと描かれていますが、ボディ内にはカマカのホワイトラベルが貼ってあるスタンダードです。
ネックブロックには1973年の日付がスタンプされており、まさしく当時のカマカの特徴を備えています。
この当時からボディ形状がいかり肩になり、指板は厚く、サイドのポジションマークは一つになってます。
ホワイトラベルは左上にHANDCRAFTEDの文字が入り、下側にはMADE IN HONOLULU, HAWAII, U.S.Aと書かれています。
トップはトラ杢のブックマッチで、70年代のカマカのサウンドです。








ALOHA スタンダード 1940年代 ALOHA スタンダード 1940年代

これはALOHAですがカマカとは違うところでOEM製作されたものです。
ボディ内のラベルを見ると、PACFIC MUSICAL INSTRUMENTS WORKSというところで製造されたようです。
まだ、ウッドフリクション・ペグなので、恐らく1940年代にアメリカで製造されたと思われます。
指板はエボニー製で、トップはスプルースでサイド&バックはマホガニーが使われています。
手に入れた時は汚かったのですが、クリーニングしたら、独特なサンバーストが美しく、木材も良い物が使われていることが判りました。
カマカ製とは違いますが、意外と音量もあり、綺麗なサウンドで、当時としてはかなり高級なものだったと思われます。








ノーブランド ソプラノ 1930年代 ノーブランド ソプラノ 1930年代

\13,000で購入したメーカー不明のウクレレです。
ボディはトラ杢の出た良質のコア単板を使っています。
作りはよいのですが、ポジション・マークは無く、サウンドホール周りに一本ラインが入っているだけのシンプルなデザインです。
指板が無い、真鍮のフレット、アーチバック、ネックヒールまでカバーする裏板、一周り小さいサイズ等から、戦前のハワイ製と思われます。
ペグは交換されているようで、元はウッドフリクション・タイプだったのでしょう。
ヘッドやボディの形状からするとKumalaeかもしれません。
メーカー名が不明といえるだけで、この金額で買えるフェーマスやヤマハはもちろんのこと、最近のハワイ製の量産ウクレレと比べても良い音です。










ケリィ・ソプラノ・メイプル 2001年 ケリィ・ソプラノ・メイプル 2001年

旧モデルのセカンド・ファクトリーというので、1/3の値段で売っていたので衝動買いしてしまいました。
ケリィは、Ka'au Crater Boysのメンバーによって1992年に創立されたブランドだそうです。
コア製もあったのですが、弾き比べたところ音が前に出るし、ちょっと珍しいのでメイプル製を選びました。
(同じセカンド・ファクトリーでも、コア製はペグや指板が違い、店員さんも廉価版と言っていたので、MANAのプロトタイプだったのかもしれません)
玉目が出ているので見た目は良いのですが、メイプルとしては、かなり柔らかい材です(ソフトメイプル?)。
音は大きいのですが、低音がポコポコ、高音はキシキシといった感じで、これは作りを華奢にして音量を稼ぐという、最近のウクレレ全体にいえる傾向です。
個人的には、オールドのようにしっかり作ってあって弾き込んで鳴るようになった物の方が、音が上品な感じがして好きです。
とはいえ、安かったし、16フレットで弾きやすく、最近のものとしては塗装が薄く感触もよいので、野外などで気軽に弾きたい時にはぴったりです。









マウイ・ミュージック ソプラノ・デラックス 1996年 マウイ・ミュージック ソプラノ・デラックス 1996年

中古で安かったのとバリバリのトラ杢とアバロンのインレイの綺麗さに衝動買いしてしまいました。
SMDというモデルで、トップはコアでサイド・バックはマホガニーという組み合わせです。
(バックのマホガニーもトラ杢が出ています)
このメーカーは指板にアールがついていて弾きやすいということですが、そんなに違いは感じません。
作りはカッチリとしていて良いですが、音はそこそこといった感じです。
オールドカマカ等に比べると、音量に遜色は無いのですが、低音がポコポコしており、高音の抜けも今ひとつです。












カノウプス テナー6弦 1990年代 カノウプス テナー6弦 1990年代

6弦(1弦と3弦が複弦)のウクレレに興味があったのですが、これは中古で安く購入できました。
カノウプスは下北沢のピッッキング・パーラーキング・パーラーというお店のブランドでハワイの一流メーカーで製作されてます。
もっともセニーザ製作がほとんどですが、これは珍しくサニーDの工房で製作された物です。
サニーDはプロのウクレレプレイヤー(本人はオータサンの弟子と言っている)としても有名です。
サニーDの工房はサニーD本人と従業員一人で、全工程をサニーDが責任をもって管理しているそうです。
そんなわけで品質も高く、プロの愛用者も多いのですが、製作本数が少なく、日本で見かける事は少ないです。
特徴は、細めのヘッドにCANOPUSのロゴ、ボディ内にサニーDのラベル、20フレットでボディ周りにバインディング有り、サウンドホールは現行のサニーDより小さめです。
良質のコア材を使い、6弦の張力に耐えるようガッシリと作ってあります。
音は独特な響きがあって良いのですが、弾きこなすのは大変そうです。








カノウプス バリトン8弦 1990年代 カノウプス バリトン8弦 1990年代

こちらもカノウプスですが、サニーDではなくてTKセニーザ製の8弦バリトンです。
8弦のテナーは良くみかけるのですが、バリトンは珍しいです。
チューニングは、ギターの1〜4弦(DGBE)と同じで、1、2弦がユニゾン、3、4弦がオクターブとなっています。
TKセニーザのTKは、トムとキャシー夫妻の頭文字で、1986年に二人が始めた会社です。
もっとも、家具職人だったトムのお父さんは余技でウクレレも作っていたそうで、トムも1964年に始めてウクレレ作ったそうです。
このウクレレは、細目のヘッドにCANOPUSのロゴ、ボディ内にTKセニーザのラベル、19フレットで、バインディング等の装飾がないシンプルな作りとなっています。
カマカのバリトンよりも一周り大きなサイズですが、ボディ、ネックだけでなく指板やブリッジまでコア製で、ナット、サドルは牛骨です。
マンドリンに似たリッチなトーンですが、見た目ほど音量はありません。









サニーD コンサート・カスタムDX・パイナップル 1990年代 サニーD コンサート・カスタムDX・パイナップル 1990年代

上記のカノウプス・テナー6弦と違って、こちらはサニーD本人のブランドによるコンサートサイズのパイナップル型です。
もっとも、コンサートと言っても、サニーDはロングネックを採用しているので、弦長は他のメーカーのテナーと同じです。
材質は、トップはスプルース、サイド&バックおよびブリッジとヘッドの化粧板はハワイアン・コア、ネックはマホガニー、指板とパーフリングはローズウッド、サドルとナットはエボニーで、ネックの付け根は恐らくメイプルと思われる白い木材でカバーされてます。
また、ボディの周囲はプラスティックで黒白黒の三層バインディングが施されています。
通常の、オールコア製で装飾の無い、コンサート・パイナップルにくらべると、手のこんだ作りのカスタムDXは滅多にお目にかかりません。
サニーDのウクレレは、大きめのサウンドホールのため、ストレートで歯切れの良いサウンドが魅力です。
また、サニーDは30年以上前からウクレレを製作していたので、ウクレレブームに乗って雨後の筍のように出現してきた新興製作者に比べると、やはり熟練の技みたいなものを感じます。










サニーD コンサート・カスタムDX 2000年代 サニーD コンサート・カスタムDX 2000年代

上記のパイナップルが良かったので購入した、スタンダード型のコンサートDXです。
トップは通常のコア材を使ったモデルですが、濃い茶色に着色してあり、見事なトラ杢を引き立てています。
こちらもロングネックなので、テナーサイズのスケールとなっています。
指板はエボニーで、パーフリングはメイプルのようです。
パイナップルに比べると、音量は若干小さめですが、コアらしい高音の出たサウンドです。












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