alohaの謎


alohaというブランド名では、いくつかのメーカーが製作していますが、その中にはカマカ製があります。
どのようないきさつでカマカがOEMするようになったのかは不明です。


1920年頃のalohaです。
aloha7aloha7head
ヘッドのロゴはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIの文字があります。
文字の背景にリボンが描かれているのは、後述のAloha Ukulele Manufacturing Co. Ltd.のものと同じです。
ボディ内のラベルは当時のカマカのものがそのまま使われています。
aloha7label
Honolulu 19と書かれているので、1921年にSouth King Street.へ引越す以前に製作されてものだと判ります。
このラベルがついた最初期のパイナップル・モデルは極めて少なく、kamakaのロゴでない事が残念!

1930年代のalohaです。
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ヘッドのロゴはハワイの紋章の下にALOHAとHAWAIIの文字があります。
ボディ内のラベルは当時のカマカのものがそのまま使われています。
aloha5label


1940年代のalohaです。
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ヘッドのロゴはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIの文字があります。
当時のカマカに良く見られるモンキーポット材を使用しています。


1950年代のalohaです。
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40年代のものと同様にヘッドのロゴはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIの文字があります。
通常のカマカより一回り小さいボディになっています。
(パイナップル・シールはオリジナルではありません)


1970年頃のalohaです。
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ヘッドのロゴはハワイの紋章の下にALOHAの文字で、HAWAIIの文字はありません。
つくりから見てカマカジャパン製だと思われます。
ボディに書かれているDuke Kahanamokuはハワイの英雄で、2度のオリンピック水泳金メダリスト、初の殿堂入りしたサーファー、そしてハリウッドの映画スターだったそうです。
その後、経緯は不明ですがアロハシャツ等のサーフブランドにその名前が使われます。
Duke Kahanamokuの文字と一緒にボディに書かれているマークから、恐らくこのウクレレもそのサーフブランドで扱われていた物のようです。
このDuke Kahanamokuの文字は、色々なメーカーのウクレレのボディに書かれているのを見かけます。

Duke Kahanamokuの描かれたalohaのスタンダード型もあります。
duke


1973年製の日付スタンプ入りalohaです。
aloha1aloha1head
ヘッドのロゴは50年代のものと同じです。
ボディ内のラベルはカマカのホワイトラベルがそのまま貼られています。
トラ杢のはっきりしたコアを使っていて、カマカの通常のものよりも出来がよいです。






このalohaというブランドには3つのパターンがあるようです。
パターン1 1918年にハワイで創立されたブランド
パターン2 1935年にシカゴで創立されたブランド
パターン3 いわゆるおもちゃウクレレのブランド

それぞれについて記します。

パターン1
Aloha Ukulele Manufacturing Co. Ltd. は1918年にホノルルで創立されました。
alohalogo
一時期、Akaiのブランド名になった時があり、ウクレレブームの去った1935年に廃業しています。
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ヘッドのロゴはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIの文字です。
上記の物とにていますが、文字の後ろにリボンが描かれています。
(一時期、上にHAWAIIの文字、真ん中にアメリカとハワイの国旗とハワイの紋章、下にALOHAとParadise of the Pacificの文字が使われました)
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パターン2
Aloha Publishing and Musical Instrument Co.は1935年にJ.M.Raleighによりシカゴで創業しました。
年が同じなので、パターン1のブランドを譲り受けたものと推測されます。
なお、Alohaの他にRaleighのブランド名でギターの販売もしていました。
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これは未だウッド・フリクション・ペグなので、おそらく1940年代のものだと思われます。
このように初期の物はヘッドのロゴがゴールドの八角形のものが使われています。
Aloha Publishing and Musical Instrument Co.の時代には自社での製作以外に、様々なメーカーでOEM製造されていました。
これは、ボディ内のラベルをみるとPACFIC MUSICAL INSTRUMENTS WORKSというところで製造されていることが判ります。
alohalabel

その後、ロゴはこのページのトップの物のようにハワイの紋章にALOHAとHAWAIIの文字が書かれたものや、ハワイの紋章の上にALOHA、下にRoyalの文字が書かれたものが登場します。
aloharoyalaloharoyalhead

恐らく上記パターン1のブランドを受け継いだのですが、ハワイ製ではないのでHAWAIIの文字をRoyalに変更したものと思われます。
このALOHA ROYALのラベルにはTOKYO STRINGED INSTRUMENT MFC.CO.LTD.と書かれており、カマカの記録に「カマカジャパンはTokyo Stringed Manufacturing Co., Ltd.で作られていた」と書かれている事から同じところで作られていたのが判ります。
(TOKYO STRINGED MUSICAL INSTRUMENT CO.LTD.と書かれたラベルもあるようです)
aloharoyallabel2



パターン3
最近はALOHAのブランドはおもちゃウクレレに使われています。
上記パターン2のブランドが無くなったので、他のメーカーで使われるようになったのだと思われます。

これは中国製のALOHA AK-500DCという物です。
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指板、ブリッジは手を加えています。




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