Lunaの謎


日本を代表するブランドのLunaにもカマカ関係の謎があります。
それは、Lunaでカマカジャパンのウクレレを作っていた。という説です。
最初に、その話を聞いたのは御茶ノ水の楽器屋の店員からでした。
その後、海外のウクレレ関係のサイトでもその話を見かけました。
真偽の方は判明しませんが、Lunaにはヘッドロゴにmodel by kamakaと書かれているものが存在します。
一体、どういう経緯でLunaにmodel by kamakaと書かれるようになったのでしょうか?

luna1luna1head
LUNA No.400

luna2luna2head
LUNA No.12

カマカ・ジャパンはかなり楽器として質が高いので、技術力が高いところで製作されていた事がわかります。
当時の日本で、技術力の高いメーカーとなると限られるので、カマカジャパンがLunaで製作されていた可能性はあると思います。


追記

わーぼさんがわざわざ岡山県美作まで調査に行ってくださいました。
なんと、有限会社 ルナ楽器として当時の工場が存続しており(大発見?)、現在は和太鼓の製作をしているそうです。
lunafactory
左の2棟が工場で右側の軽四輪の隣が事務所だそうです(のどかですね)

工場には、model by kamakaの箱が残されていたそうなので、model by kamakaのロゴ付きLunaはここで製作されていたと思われます。
(残念ながら、工場に残っていたウクレレ2本にはmodel by kamakaのロゴは無かったそうです)
lunabox3箱の上面
lunabox4箱の下面


代表者の方にお話を伺ったところ、当時は海外のOEMはやっておらず、Lunaだけ製作していたということです。
また、1966年以降も製作をしていたそうですが、その後、火災で工場が焼失してしまったようです。

ということで、Lunaでカマカ・ジャパンの製作をしていたという話はガセネタの可能性が高いです。
では、一体どういう経緯でmodel by kamakaのロゴが付くようになったのでしょうか?
・勝手に、有名ブランドにあやかった?(LunaはRhythm Band Inc.により米国にも輸出されていたようなのに、そんな事が許されたのだろうか?)
・岡山以外の工場でカマカ・ジャパンの製作をしていた?(わーぼさん情報によるとLunaは東京が本社、横浜が支店、岡山が工場だったので、これも考えにくい)
とすると、なにがしか技術提携のようなものがあったということでしょうか?
あらたな謎が残ってしまいました。

詳細はわーぼさんのサイト


さらなる追記

MATTさんが、当時Lunaの社長だった鎌野福太郎氏にお会いして、事情を伺ってくださいました。(凄い!)
『当時の日本では「カマカ」というブランドは高級イメージがあったため「カマカをもとに設計した」と書いたつもりだったのですが、すぐに取りやめたとのことでした。』
他にもLunaという名称の由来(嘘のような話です)等、興味深い話を伺ったそうですが、詳細は7月発刊予定のMATTさんの本(ウクレレ快読本)に載るようですので期待してください。
mr.kamano鎌野元社長 「ウクレレ快読本」より

鎌野元社長は94歳ということなので、今のうちに当時の話を伺えて良かったと思います。
しかし、「カマカをもとに設計した」と書いたつもりとは。。。意外な真実で拍子抜けしました。
MATTさんが「誤解が広まっていますよ」と鎌野元社長にお話したところ「ボクとしては軽い気持ちでかいただけなのに、そうだったんですか。」とびっくりされていたそうです。
また、クレームがあってその記述をやめたのか伺ったところ「クレーム等は一切無かったよ」とおっしゃっていたそうです。
これで、カマカに関するLunaの謎は全て解けたようですね。


またまた追記

ついにMATTさんの本が発売されました。
凄く内容が濃いです。
新たなるウクレレのバイブル誕生といった感じですね。
しかも、錚々たる協力者の一覧の中に私も載せていただいたので、ちょっと恥ずかしいです。

book
『ウクレレ快読本』 著 小林正巳 日本評論社 1900円+税
ISBN978-4-535-58499-0


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