1975年製カスタムと1974年製カスタム


とりたててという事も無いのですが、カスタムも載せてあった方が良いかなぁと思いまして、追記しました。
あまり知られていない、仕様が異なる1975年製のカスタムです。
70年代前半のカラマズー製と製造場所が移った70年代後半からのナッシュビル製の過渡期のものになります。
(このギターの製造自体はカラマズーだと思われます)
この時期、色が濃い目になりワインレッドに近い感じになりますが、チェリーレッド・フィニッシュです。

比較するのは20周年記念の1974年製カスタムです。
ランディ・ローズやパンク・ロック等で人気のホワイト・フィニッシュです。

ぱっと見た感じで、1975年製と違うのはコントロール・ノブの違いぐらいです。

両者のヘッドストックです。
(左側が1975年製、右側が1974年製です)
両者とも、ロゴはドットレスiのモダン・ロゴです。
なお、この時期のペグはクルーソンとグローバーが混在しますが、両者ともグローバーです。
以降のナッシュビル製はペグがシャーラーになります。
(ブリッジもABR-1からシャーラー製のナッシュビル・タイプに変わります)

ヘッドストックの裏側です。
両者ともボリュート付きの3ピース・ネックです。
しかし、1975年製はメイプル製、1974年製はマホガニー製になっています。
ちなみに、見づらいですが1975年製のシリアルは928988です。
通説では1970年〜1972年に使われたシリアルと言われています。


カッタウェイ部分です。
両者ともパンケーキ・ボディです。
均一な幅のバインディングで、トップのメイプルが見えるタイプです。

コントロールキャビティです。
ピックアップ・ケーブルのルーティングに違いが見られます。
1975年製はロングドリルによる丸い穴ですが、1974年製はトップのメイプルを接着する前にルーティングされた四角い穴です。
また、コントロールキャビティ自体も1975年製は大きくなっていて、後のシールドボックス内蔵の物に近い印象を受けます。

ピックアップ・キャビティです。
両者ともネック・テノンが見える1970年代前半のタイプです。
(僅かですが1975年製の方がテノンが短くなっています)
写真では判りづらいですが、実際は1975年製のネックがメイプル製なのがはっきり判ります。
ピックアップは、両者とも刻印ナンバードと言われる物です。

こうして両者を比べてみたところ、見た目的には大きく違いませんが、サウンドには大きな差があります。
1975年製は、70年代前半のカラマズー製の強固なネックジョイントを持ちながらメイプルネックであるため、厚めの音ながらくっきりしたロック向きなサウンドがします。

こちらは、1973年製の1954年製のリイシューです。
何故かポジションマークがES335のようなスモール・ブロック・インレイになっています。
トラスロッド・カバーの位置が上にあるなど、通常の1954年製リイシューと違いがあります。
作った職人さんのきまぐれでしょうか?

これはオールマホガニー製なので、ピックアップ・ケーブルのルーティングはロングドリルによる丸い穴です。


<(おまけ)レスポール・リイシューあれこれ>