カマカ・ウクレレ

カマカ パイナップル 1920年代 カマカ パイナップル 1920年代

1920年代のパイナップルモデルですが、残念なことにボディにはパイナップルの絵はありません。
ヘッドデカールはバックが青ですが、中にパイナップルの絵でなくハワイの紋章が描かれているタイプです。
おそらく、パイナップルの絵が描かれているものより古いと思われます。
ちなみに、1916年の創業当初はヘッドデカールが無くK. Kamaka Honolulu Hawaii.のラベルがボディ・エンドに貼られています。
その後、クレスト(紋章)デカール、バックに青が入ったブルー・クレスト・デカール(紋章とパイナップルの2種類ある)となっています。
ボディ内の薄茶のラベルにはPINAPPLEの文字が入っていますが、パテントナンバーが無いので、1928年のパテント以前のものと思われます。
材質はマホガニーに似た感じのコアで、甘い良い音がします。
同時代のマーチンのコアモデルなんかもマホガニーに似た木質が多いので、現在とはコアの品種が違う(産地が違う?)のかもしれません。









カマカ パイナップル 1930年代 カマカ パイナップル 1930年代

本屋に行ったついでに、ウクレレのフリーペーパー貰おうと寄った楽器屋さんで見つけました。
かなりボロボロ状態で、ヘッドのデカールやボディのパイナップルも変色し剥がれかけていたので¥80、000という破格の値段でした。
でも、さすがの貫禄を醸し出していて、これは買うっきゃないでしょ!という感じで、お金も無いのにカードで購入してしまいました。
店員は1928年製と言っていましたが、これはラベル(薄茶でパイナップルの絵が入った奴)に書いてあるパイナップルモデルのパテント年月日を製造年月日と勘違いしたもの。
パイナップルモデルのパテント期間は1928年から1942年ですが、スペックからみると1930年代に作られた物と思われます。
上記の1920年代のパイナップルモデルと同様に材質はコアですが、マホガニーに似た木質で、かなり甘い音です。
ボディは現在の物よりもひとまわり大きく(細長い)、サウンドホールが小さいので、これでパイナップルの絵柄が無かったら、結構間の抜けたデザインかも・・・。







カマカ スタンダード 1940年代 カマカ スタンダード 1940年代

青地にパイナップルのヘッドデカールで、薄茶でパイナップルの絵が入ったラベルのスタンダードです。
(この頃には薄茶でなく青地のラベルも存在したようです)
このラベルは1930年代のパイナップル・モデルと違い、パテントナンバー等の記述はありません。
(パイナップルモデルのパテントなので、スタンダードには付かないのは当然か)
代わりにトレードマークの記述が2つあり、パイナップルのマークが商標登録されていた事がわかります。
(パテント期間の14年間が切れた後も、商標登録は10年毎の更新なので、マークは使用できます)
なお、この時代はカマカのイメージキャラクターであるパイナップル・モデルが多く、スタンダードは比較的珍しいようです。
このウクレレはペグがウッド・フリクション・タイプなので、1930年代製かもしれません。
材質はコアでなくモンキー・ポットを使用し、ボディは1950年代の物より若干小さ目で厚みがあります。
残念ながらブリッジは交換されてますが、音は滅茶苦茶に良いです。





カマカ スタンダード 1950年代後半 カマカ スタンダード 1950年代後半

艶消しゴールドラベルでHawaiian Handmadeと書かれている時代のスタンダードです。
仕様からみるとkkロゴ・デカールの初期の物だと思われます。
kkロゴ・デカールとボディ内のゴールドラベルは、1953年12月にサム・カマカJrが初代サム・カマカから会社を引き継いだ直後の1954年始めから採用されています。
特徴としては、指板が無くネックに直接フレットを打ってある、ブリッジにサドルが無い、ボディが厚くサイズが大きい、トップ&バックは単板でサイドが2枚、バックがアーチ状に膨らんでいる等です。
サドル無しというのは、指板の無いオールド・ハワイ製は弦高が高めになってしまうので、弦高を低くするための工夫だと思います。
ブリッジの上端を削り弦を通すスリットとの間に支点を作りサドルの変わりをさせるのは、意外と手間がかかり工作精度が要求されます。
コア材は最近の物より色が濃く、表板のトラ目もはっきりとした良い物が使われています。
サウンドは大きく深みがありますが、サドルが無いため若干ビビッているようにも感じます。







カマカ スタンダード 1960年頃 カマカ スタンダード 1960年頃

こちらはフィンガーボードがつくようになった頃の物で、同様に艶消しゴールドラベルにHawaiian Handmadeと書かれています。
このように最初の頃のフィンガーボードのエンドはV字型カットで、後に直線的な斜めのカットとなります。
(1958年のパンフレットを見ると、バインディング有りの高級品はエンドがV字型カットのフィンガーボードでサドル付きですが、普及品は未だフィンガーボード無しでサドルもありません)
これは、未だブリッジにサドルが無く、ボディが厚くトップ&バックは単板でサイドが2枚、裏板はネックの付け根までカバーしており、フレットが真鍮等の特徴が残っています。
  1950年代とくらべるとフィンガーボード以外の違いは、若干大きさが小さくなり、バックのアーチも緩やかなところです。
コア材は色が明るく、木の密度も低くなっています。
(コア材の産地の島が変わったため?)
  音は50年代の物と60年代の物の中間といった感じですが、若干おとなしめな気もします。






カマカ パイナップル 1960年代後半 カマカ パイナップル 1960年代後半

艶消しゴールドラベルで右下にHONOLULU HAWAIIと書かれています。
指板のエンドは緩やかに斜めにカットされており、ブリッジにはサドルがあります。
ペグはハトメ状のブッシュ、サイド、トップ、バックとも1枚板のコアで出来ています。
下の70年代初期のパイナップルとは、ラベルが違うだけで双子と言っても良いほど、サイズ、形状、音が似ています。
通説では、艶消しゴールドラベルが1960年代半ばまで、艶ありゴールドラベルが1960年代後半、ホワイトラベルが1969年末からとなっていますが・・・ひょっとしたら1年位しか製造時期に違いはないかもしれません。
  ちなみに、カマカHPでは、ゴールドラベルは1954年から1969年までとしか記述されていません。
(その後、1969年の日付入りの艶消しゴールドラベルや1970年の日付入りのホワイトラベルにもお目にかかりましたので、1969年に艶消しゴールド ラベルからホワイトラベルにチェンジしたのであって、艶ありゴールドラベルは、実は日本製だったのではないか?と推測しています。)







カマカ スタンダード 1960年代中頃 カマカ スタンダード 1960年代中頃

1964年から1970年までTokyo Stringed Manufacturing Co., Ltd. と共同で作られたカマカ・ジャパンといわれる物です。
艶ありゴールドラベルで、右下にHawaiian Handmadeの文字が書かれています。
艶消しゴールドラベルとは若干文字の形が異なっていて、Hawaiian Handmadeの文字がukuleleの文字より左側から始まっています。
また、艶消しゴールドラベル(及びホワイト・ラベル)ではkの文字にaの文字が食い込んでいるのですが、艶有りゴールドラベルではkとaが離れています。
この後、艶有りゴールドラベルは、下側のHawaiian Handmade部分が切り取られたものになり、その後下側に何も印刷されていないものになります。
また、ヘッドの裏にはモデル名のk 100 という文字が書かれたシールが貼られています。
日本製の特徴で、ペグは6角形のブッシュで、ネックの握りが丸をおびて厚みがあります。
(この時代のハワイ製は鳩目型のブッシュで、ネックは平たいものが多いです)








カマカ スタンダード 1960年代後半 カマカ スタンダード 1960年代後半

こちらもカマカ・ジャパンで製作されたものです。
艶ありゴールドラベルで、ラベルの下側にはHAWAII等の文字はありません。
(艶消しゴールドラベルでも、HAWAII等の文字が無いものも存在します)
ボディはトップ、バック、サイドとも1枚板のコアですが、指板、ブリッジはローズウッドです。
上記のものと異なり、ボディ周囲に白、黒、ベッコウ柄の3層バインディングがあり、サウンドホール周りにも黒、白、黒のパーフリングがあります。
この種のバインディングがある物は結構レアだと思います。
作りは本家のハワイ製より良いのですが、サウンドは本家に近い感じですが弾き比べてみると劣っています。







カマカ スタンダード 1960年代後半 カマカ スタンダード 1960年代後半

こちらもカマカ・ジャパンで製作されたものです。
マホガニー製でブラウン・フィニッシュになっています。
上記のもの同様に、ボディ周囲に白、黒、ベッコウ柄の3層バインディングがあり、サウンドホール周りにも黒、白、黒のパーフリングがあります。
また、指板のエンドがV字型に処理されているのが特徴です。
ヘッド裏のシールにはKK17という型番が記されています。
kではなくkkという型番なので、Keikiと同様な扱いだったことがわかります。
マホガニー製ですがボディ・ネック共にトラ杢が出ていて、keikiよりも良質の材を使っています。







カマカ パイナップル 1960年代後半 カマカ パイナップル 1960年代後半

こちらはハワイ製の艶なしゴールドラベルです。。
パイナップル・デカールは、この時期に復刻されたものがついています。
(1説によると、50周年記念とか)
オリジナルに比べると、細身で丸っこいパイナップルで、下側に葉が無いことから区別できます。
高木ブーさんの特注カマカにも、このデカールがついていましたね。
なお、ウクレレ自体は、指板のある当時の物です。








カマカ パイナップル 1970年代初期 カマカ パイナップル 1970年代初期

これはホワイトラベルにHONOLULU, HAWAII, U.S.Aと書かれている時代のパイナップル型のウクレレです。
しかし、スモール・サウンドホール、なで肩ボディ、薄くてエンドが斜にカットされたフィンガーボード、トップ&バックがセンター合わせでない1枚板、サイドも1枚の板を曲げて作ってあるため、ゴールドラベルと同じ特徴を備えています。
この後、ホワイトラベルにはMADE IN HONOLULU, HAWAII, U.S.Aと書かれるようになり、ラベルの左上にHANDCRAFTEDの文字も入るようになります。
これにはペグもブッシュがドーナッツ状の1950年代と同じ物がついてますが、60年代後半からはブッシュが六角形のものが混じるようになり、1974年からはシャーラー製のゴツいものになります。
サウンドは明るくカラッとした物で、なんとなくハワイという感じがします。
どちらかというと、コード弾きに向いている印象を受けます。









カマカ スタンダード ウクレレ 1970年代初期 カマカ スタンダード ウクレレ 1970年代初期

こちらもホワイトラベルにHONOLULU, HAWAII, U.S.Aと書かれていてMADE INの文字の無い時代の物です。
1カ所修理跡があったので比較的に値段も安く、サウンドも良かったので購入しました。
上記パイナップルよりは時代的には若干新しいと思われ、サイドが2枚になっています。
この後、サウンドホールの大型化、スクエアショルダー、トップとバックがブックマッチの2ピース、エンドがまっすぐ直角にカットされた厚みのある指板と推移していきます。
このウクレレに関しては、その他にローズウッドの指板、サドルとナットが牛骨、トップ側にバインディング等の特徴があります。
ブリッジにインレイがありませんが、現在のデラックスモデルの原型だと思われます。









カマカ スタンダード ウクレレ 1970年代初期 カマカ スタンダード ウクレレ 1970年代初期

こちらもホワイトラベルにHONOLULU, HAWAII, U.S.Aと書かれていてMADE INの文字が無く、サイドが2枚のスタンダードです。
ブリッジ近辺に割れがあったのですが、見たことの無い仕様なので購入しました。
最初に目につくのが、コンサート・モデルと同じヘッド形状とボディの黒いバインディング(おそらくプラスティック製)。
さらに、ボディが厚く、裏板はネックのヒール部分まで覆う50年代のタイプ、そしてエボニーの指板は通常より8mm程度幅が広く最近の物に近い感じ。
おそらく、カスタム・オーダー品だと思われます。
割れを修理したら、ビックリするほど良い音になりました。









カマカ スタンダード ウクレレ 1980年頃 カマカ スタンダード ウクレレ 1980年頃

ホワイトラベルにMADE IN HONOLULU, HAWAII, U.S.Aと書かれていて、ラベルの左上にもHANDCRAFTEDの文字が入った時代の物です。
MADE IN が追加されHANDCRAFTED文字入りでは、古いもので1973年1月の製造月日が入ったものを見た事があります。
それは、既に肩が張り出して指板は厚くなっていましたが、サウンドホールは小さく、古いペグが付けられ、裏板は1枚でした。
それに比べてこれは、サウンドホールは大きく、シャラー・ペグ(1974年から採用)が取り付けられ、裏板も2枚合わせになっています。
80年代中頃からは指板のエンドがまっすぐに変更されるので、おそらく80年前後に製造されたもだと推測されます。
張り出した肩や大きいサウンドホールは音量増大のためと言われていますが、音量は以前のモデルとあまり変わりません。
むしろ、大きなサウンドホールからストレートに出てくるためか、サウンドの厚みが減った気がします。








カマカ Keiki ウクレレ 1960年代中頃 カマカ Keiki ウクレレ 1960年代中頃

カマカが子供用(廉価版)に作ったkeiki(ハワイ語で子供の意味)モデルです。
このkeikiモデルと一部のスタンダード・モデルは日本で生産されていました。
カマカHPによるとTokyo Stringed Manufacturing Co., Ltd. となっています。
(実際はLUNAで製造されていたという説もありましたが、わーぼさん等の調査で誤りであることが確認されました)
これは艶有りゴールドラベルでHawaiian Handmade入りですが、60年代後半には同じ艶有りゴールドラベルでもHawaiian Handmadeの文字がなくなります。
このKeikiの特徴としてはマホガニー製、トップ・バック・サイドとも一枚板、ローズウッドの指板・ナット・ブリッジ、ペグは六角形のブッシュ、トップとサウンドホール周りにバインディングがある等です。
コアと違ってマホガニーの甘いサウンドですが、さすがカマカ製、廉価版でありながらも、とても良い音がします。
なお、日本製カマカにはヘッド裏に当時のシールがそのまま残っているものがあります。
単にハワイ製には無いモデル名(K 100等)のシールの場合が多いのですが、中には日本製あるいは日本で組み立てられハワイでフィニッシュされた事を意味するシールがついている場合もあります。






カマカ Keiki ウクレレ 1960年代中頃 カマカ Keiki ウクレレ 1960年代中頃

こちらもマホガニー製のkeikiです。
上記のものと異なり、バインディングの無いスタンダード・タイプです。
スタンダード・タイプのkeikiには、このようなブラウン・フィニッシュ以外にナチュラル・フィニッシュのものもありました。
パンフレットを見るとナチュラル・フィニッシュがkk10でブラウン・フィニッシュがkk11となっています。
しかし、ナチュラル・フィニッシュでkk12のシールが貼られたものやブラウン・フィニッシュでkk13のシールが貼られたものもあるようです。
型番が変更になったのでしょうか。
なお、上記のバインディング付きのデラックス・タイプはkk15の型番になっています。
ラベルは艶有りゴールドラベルでHawaiian Handmade入りです。







カマカ Keiki ウクレレ 1960年代中頃 カマカ Keiki ウクレレ 1960年代中頃

こちらもマホガニー製のkeikiです。
ナチュラル・フィニッシュでヘッド裏にkk12のシールが貼られています。
上記の物の単なる色違いみたいで、マホガニーの材質やサウンドに違いはないような気がします。
ラベルも同様に艶有りゴールドラベルでHawaiian Handmade入りです。
このkeikiには、ソフトケースに当時のkamakaの弦がそのまま入っていました。。










カマカ コンサート ウクレレ 1960年代後半 カマカ コンサート ウクレレ 1960年代後半

ヘッドにハワイの神様であるTikiのレリーフがついたコンサートです。
このtikiモデルは60年代後半から70年代前半に作られたと言われています。
70年前後の物には製造月日のスタンプが押されている場合があるので、ネットで調べてみるとTikiモデルには68年、69年の日付入り艶消しゴールドラベルや70年、71年、73年の日付入りホワイトラベルの物が存在するようです。
残念ながらこのウクレレには日付スタンプはなく、ラベルもほとんど剥がれており、残ったラベルの破片から艶消しゴールドラベルだったと判る程度です。
その他の特徴としては、裏板がネックヒールまでカバーする50年代によく見られるタイプであり、ブリッジは現行のテナーやバリトンと同様な物になっています。
調べたTikiモデルでは同様なブリッジの物は無く、68年製はピン式のブリッジで、69年以降はスタンダードと同じ小さいブリッジになっていました。
テナーやバリトンは70年前後にピン式ブリッジからこのようなブリッジに移行しており、また1965年に開発されたオータサン・モデルも同様なブリッジなので、過渡期のものと思われます。







カマカ コンサート オータサン・モデル 1990年代 カマカ コンサート オータサン・モデル 1990年代

カマカがオオタサンことハーブ・オオタと共同で開発したシグネーチャー・モデルです。
マーチンのドレッドノート・ギターを参考にしたといわれるベル・シェイプが特徴です。
このベルシェイプは、大きな音を得るためで、現在のウクレレ・メーカーでは、真似して採用しているところが多いです。
このモデルは、非常に美しいフレイム・コアを採用している事も特徴となっています。
そのためか、コスト・パフォーマンスが悪いのが難点となっています。
もっとも、オータサンのファンだったら、価格は関係ないのかな?








カマカ テナー ウクレレ 1960年代中頃 カマカ テナー ウクレレ 1960年代中頃

艶消しゴールドラベルにHONOLULU, HAWAIIと書かれている時代のテナー・ウクレレです。
コンサート・モデルと同じヘッドの形状が目立ちます。
その他の特徴としては、ローズウッド指板、ピン式のブリッジがあります。
トップ、サイド、バックともトラ杢の1枚板のコアが贅沢に使われています。
ネックは細めで、バック材はネックのヒール部分まで覆っていません。
厚みのある音ですが、音量は見た目ほどありません。








カマカ バリトン ウクレレ 1960年代前半 カマカ バリトン ウクレレ 1960年代前半

艶消しゴールドラベルにHONOLULU, HAWAIIと書かれている時代のバリトン・ウクレレです。
バリトンの歴史は比較的新しく、アーサー・ゴッドフレイのアイデアを元に1950年頃に開発されたと言われ、1951年にファビラ社がバリトン・ウクレレ用の教則本とともに販売を開始し、続いてマーチンが1960年、ギブソンが1961年に製造開始ます。
カマカがいつごろに製造開始したのか判りませんが、同じ頃に製造を始めたと思います。
コア材は、トップがセンター合わせの2ピース(柾目)ですが、バックはネックつけめまでカバーする大きな1ピース(板目)です。
ブリッジはピンで弦を止めるタイプで、ペグはギア式(オープンバック)です。
バリトンはソプラノ、コンサート、テナーの各タイプと違ってギターの1〜4弦と同じチューニングのため、そんなにテンションは強くありません。
サウンドもかなりギターに近く、ウクレレらしさは若干高音に残る程度です。







カマカ HF-800 lili'u ウクレレ 1980年代前半 カマカ HF-800 lili'u ウクレレ 1980年代前半

カマカの8弦テナー lili'u です。
lili'uの名前はハワイのLili'uokalani女王の名前をとったものと言われています。
残念ながら、現在はこの名称は使われていないようで、8弦テナーの型番はHF-38となっています。
lili'uモデルは他に6弦テナー(HF-600)もありました。
作られたのは、6弦テナーの方が早く1959年製造開始で、8弦テナーは1976年の製造開始です。
(なんでもアメリカ建国200年を記念して製作されたそうです)
意外とソロでも使えて、Low-Gの曲でもHigh-Gの曲でも気にせず弾けるのが良いですね。







カマカ HF-36 テナー6弦 ウクレレ 1996年製 カマカ HF-36 テナー6弦 ウクレレ 1996年製

上記の8弦テナーを入手したので6弦も欲しくなって購入しました。
6弦テナーは1959年にハワイがアメリカの州になった記念に製作が開始されたそうです。
上記の8弦テナーと同様に発表当時はlili'uの名称がついていましたが現在はHF-36となっています。
ヘッドの形状は、90年代になると、このように先細りに変更されます。
ブリッジの形状は未だ上記の8弦と同様で、ナット&サドルもエボニー製ですが、90年代後半には、ブリッジが変更されるとともにナット&サドルが白いプラスチックとなります。
1弦と3弦が複弦となっており、1弦はAとLow-Aの組合せ、3弦がCとHi-Aの組合せとなっており、かなりユニークな響きです。
コードストロークには良いですが、ソロを弾くにはあまり向いていません。
(オータサンは6弦テナーを使ったソロをレコーディングしていますが・・・)






カマカ ティプレ 1979年製 カマカ ティプレ 1979年製

10弦ウクレレのティプレです。
マーチンのティプレはギターの仲間という扱いでしたが、カマカの場合はウクレレの仲間という扱いになっています。
スチール弦を使用し、1弦が2本のユニゾン、2弦が3本のオクターブ、3弦が3本のオクターブ、4弦が2本のオクターブとなっています。
カスタムオーダー品で、サム・カマカ、ルシファーと書かれたラベルが貼ってあります。
トップはスプルース、サイド&バックとネックはコア、指板はエボニー、ブリッジ、パーフリング、バインディングはローズウッドです。
このパーフリングは、後のサニーDの高級機種などに見られるのに似ているのが興味深いです。
弦をとめるブリッジ・ピンの数が多く、変わった配置をしているので、デザイン的に印象に残りますね。








ka-lai パイナップルモデル 1940年代 ka-lai パイナップルモデル 1940年代

1940年から1946年の間にカマカがハウス・オブ・ミュージックのオーナーだったJohnny Laiのために製作したのがka-laiです。
カマカHPによるとJohnny Laiが閉店後の夕方と週末にカマカの工場を使って製作した事になっていますが、実際はカマカの職人が製作したようです。
KamakaとLaiの名前を合体してka-laiと命名されましたが、その後にハワイ語の音に近いKa-Laeに名前が変更されています。
基本的には、パイナップルデカールのオールド・カマカと同じです。
kamakaではなくka-laiと書かれた薄茶のラベルもパイナップルの絵柄入りです。
もちろん、ラベルに書かれているパテントナンバーはカマカの物が書かれています。
カマカHPによるとka-laiの材質はモンキーポッドとなっていますが、実物は当時のカマカ同様マホガニーに似た感じのコアで作られていて枯れた鳴りの良い音です。
製作本数は少ないのですが、パイナップルデカールのオールド・カマカよりかなり安く入手できました。




 




kalai スタンダードモデル 1940年代 kalai スタンダードモデル 1940年代

上記と同じkalaiのスタンダードモデルです。
指板やサウンドボード周りのパーフリングなど、kamakaと違ったイメージです。
しかし、ボディ&ネック、ブリッジの作りはカマカらしいです。
ボディ内のラベルは水色で、当然パイナップルモデルのパテントナンバーは書かれていません。
材質はマホガニーですが、コア製のカマカと似た音色です。







 




ALOHA スタンダード 1973年製 ALOHA スタンダード 1973年製

これもカマカのOEMのALOHAです。
ヘッドのデカールはハワイの紋章の上にALOHA、下にHAWAIIと描かれていますが、ボディ内にはカマカのホワイトラベルが貼ってあるスタンダードです。
ネックブロックには1973年の日付がスタンプされており、まさしく当時のカマカの特徴を備えています。
この当時からボディ形状がいかり肩になり、指板は厚く、サイドのポジションマークは一つになってます。
ホワイトラベルは左上にHANDCRAFTEDの文字が入り、下側にはMADE IN HONOLULU, HAWAII, U.S.Aと書かれています。
トップはトラ杢のブックマッチで、70年代のカマカのサウンドです。









カマカ・ウクレレについては姉妹サイト「カマカの部屋」もご覧ください


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