ジャンボ・ボディの代表ギブソンJ-200


ジャンボ・ボディというと、真っ先に思い浮かべるのはJ200でしょう。
私が所有するJ200を紹介していきます。
ちなみに、ナチュラル・フィニッシュが多いですが、意図してナチュラルを集めた訳ではありません。
ナチュラル・フィニッシュは誤魔化しが効かないので良質の材を使っているとか…サウンドが良い物が多いのです。

最初に登場するのが1940年製のSJ200です。
1938年から1941年までに96本製造されました。


各弦アジャスタブル・サドルは1940年までの仕様、また指版エンドも1940年にストレートに変更されます。
ブレイシングはネック側とブリッジ側がそれぞれXブレイシングのダブルXブレイシングです。
以前は1940年からシングルXブレイシングと言われていましたが、製造年にかかわらず両者のブレイシングが混在するようです。
さらに、この個体はヘッドのインレイが通常はクラウンなのに、レアなフラワーポットとなっています(数例同じ仕様のものが存在している)。

1951年製のSJ200です。
戦前のSJ200が戦後に復活するのは1947年、戦前はローズウッドのサイド&バックでしたが、メイプルのサイド&バックに変更されます。
再登場した時からカタログ上はJ200と名称が変更になっていましたが、1954年まではボディ内のラベルにはSJ200と書かれています。
また、この時期までは、ピックガードの縁にラインがあり、彫られている花の位置も異なるため、SJ200として扱われます。


この時期までのSJ200は、後年の物と比べて繊細でフィンガー・ピッキングにも合います。
おそらく、1951年にJ185が発表されたので、以降、J185はフィンガーピッキング向け、J200はパワフルなコード・カッティング向けと差別化が図られたのではないでしょうか?
ブレイシングはシングルXブレイシングです。

次はボロボロですが、1958年製のJ200です。


かなり弾きこまれており、鳴りが素晴らしいです。
ブレイシングはネック側とブリッジ側がそれぞれXブレイシングのダブルXブレイシングです。
一般的にJ200のサウンドとしてイメージするタイプの音です。

続いて、ダブルピックガードの1964年製です。


ブリッジがチューン・O・マチックとなり、サウンド的には今一つですが、見た目のインパクトが凄いですね。
ちなみに、ダブルピックガードですが、単に左用を増設したのではなく、少し小振りで花の配置も違う専用のピックガードになっています。
ネックブロックが指板の裏側をカバーする形状になっているため、ブリッジ側のシングルXブレイシングです。


次は1968年製のJ200です。


一見すると、単なるナチュラル・フィニッシュのように見えますが、当時のエヴァリー・ブラザース・モデルと同様に、サイド&バックはウォルナット・フィニッシュとなっています。


やはり、ネックブロックが指板の裏側をカバーする形状になって、シングルXブレイシングです。
この時期、ボディ内にトップ・ミュートと言われる物が付けられています。
中空のブレイシングがあり、そこからネジなどでトップの振動を抑制する仕組みなのですが…。
あまり、実用的ではないので、中空のブレイシングを切り外されている物も多いです。



1970年製のモデルチェンジ過渡期のJ200です。


ブリッジは本来アジャスタブル・サドルなのですが、固定サドルに交換されています。
60年代後半のモデルとの違いは、ブランド・ロゴ、ヘッド裏のmade in USAの刻印、J-200と書かれたトラスロッド・カバー位です。
未だ、ネック裏のボリュートも無く、オレンジラベルのまま、トップ・ミュートは無く通常のネックブロックに戻されてシングルXブレイシングです。

最後は、1977年製のブラック・フィニッシュのJ200ARTISTです。


見た目がカッコ良かったので入手しました、晩年のエルビス・プレスリーが似たギターを使っていましたね。
ブリッジ側がダブルXブレイシングで、あまり鳴りませんが、バランスの良いサウンドです。

余談ですが・・・プレスリーと言えば、同時期にブラック・フィニッシュのDOVEも使っていました。
ブラック・フィニッシュのJ200やDOVEは製造本数が少ないうえ、プレスリー・ファンが探してるので、なかなか市場にでてきません。




<番外>ネット・オークションで見つけたOrville by GibsonのSJ200です。


出品者がSJ200と書いていたのですが、型番とかも無いし、アレコレ調べてみたけど詳細不明です。
ブラック・フィニッシュ、ヘッドのスプリット・ダイヤモンド・インレイ、ダブル・ピックガード(後付け?)が通常モデルと違っています。
Fishmanのピエゾ・システムやゴールドのグローバー・ペグ等、作りも良いのですが、音は今一つです。




<(おまけ)ジャンボ・ボディあれこれ>