カマカ年代記

随時更新中(カマカに関する情報募集中)


1890.12.29 Samuel Kaialiilii Kamaka マウイ島Waiheeにて生誕
      sam.kamaka


1910  ウクレレの父であるManuel Nunesからウクレレの作り方を習う
      nuneslogo


1916  Kaimukiの家の地下で Kamaka Ukulele and Guitar Works 創業
この当時のウクレレにはヘッドロゴもボディ内のラベルも無く、ボディ・エンドにラベルが貼ってあった
      ukulele1916label1916

      この当時のパンフレットにはスタンダードなAと高級機種のC及び最高機種のEが載っている
      kamakaad2kamakaad1



1920頃  パイナップルモデル開発
      1920pineapple

      この当時のラベルはkamakaの文字が扇型に書かれている(おそらく左側の方が古い)
      1920label1920label
      右側のラベルにはHonolulu 19と書かれているので工房がSouth King Streetへ引っ越す前だと判る

      ヘッドのロゴはハワイの紋章をあしらったクレストデカール
      crestdecal

1921  工房が自宅からHonolulu at 1814 South King Street. へ引っ越す(店舗兼)。
      shop

      May Akeoと結婚

1922   Samuel Jr. 誕生
1924   Frederick (fred Sr.)誕生


1920年代中頃 ブルークレストデカール採用
      bluecrestdecal

      パイナップルの柄をペイントしたモデル製作(表に描いたものと裏に描いたものがある)
      1920pineapple21920pineapple3

      その後 ボディにパイナップルのパイナップルのデカールが貼られるようになる(これも表に貼ったものと裏に貼ったものがある)
      pineapplefrontpineappleback

      この当時には既にコンサート(おそらくテナーも)が作られていた。
      1920concertconcertlabel

      Kamaka Ukulele and Guitar Works の会社名のとおり、ギターも作られていた。
      guitar

1927.9.26 パイナップルロゴ TRADEMARK(商標登録)出願 
1927.9.28 パイナップルモデル特許出願 以降認可されるまでの期間ラベルにPATENT PENDINGの文字が入る
1928.1.3  DESIGN PATENT(意匠登録)認可 DES.74.178 パテント期間は14年間
1928.2.28 パイナップルロゴ商標登録認可 登録期間10年毎更新
      ブルーパイナップルデカール採用
      pineappledecal

      ラベルにパテントナンバーが入るようになる。(左:パテントなし、右:パテント入り)
      nonpatentpatentlabel

      デラックスモデルには丸い青色のラベルが使われた。
      bluelabel

      この当時のショップ(子供は5歳の頃のフレッド)
      shop1930
      この写真に写っているパイナップル・モデルのように、ボディにパイナップルのデカールが貼られないままで販売されるものもあった。
      (現存するパイナップル・デカールの無いものは、必ずしも扱いが悪く剥がれてしまったものというわけではない)


1930年代  パイナップルモデル 全盛
      ウクレレブーム衰退のため1930年代後半には多くのメーカーが廃業するが、カマカはパイナップルモデルのおかげでハワイで唯一存続したメーカーとなった。
      この当時のスタンダードモデルは数が少ない

      ブルーパイナップルデカールのスタンダード(ラベルにはPINEAPPLEの文字が無くパテントナンバーも書かれていない)
      1930standard1930standardlabel

      一時的にアルミ製シールが使われる
      alumidecalalumipineapple

      カスタムメイドで14弦テナーが製作される
      14st


1940〜1946  Johnny Laiがサム・カマカの許可を得て、閉店後の夕方と週末にカマカの工房を使ってka-laiが製作された
      kalaikalailabel

1941    会社名を Kamaka and Sons に変更する
1940年代初期 ウッドフリクションペグから通常のペグへ移行される(高級機種の方が先に採用されたようである)
      woodpegplasticpeg

      この当時のウクレレ達とサム・カマカ(後ろにギターやペイント入りのパイナップルモデルが見える)
      pineapple1940sam1940

1942    パイナップルモデルのパテントが切れる
1942〜   戦争の影響で生産量が減少し、戦後はサム・カマカ体調不良のため生産量は減ったままであった

1950年代初期 シガーボックス(葉巻の箱)を使ったウクレレを12本製作して7本だけ使用に耐える物が完成した
      cigarbox

      サム・カマカの療養地WaianaeのLualualei Homestead farmへ製作設備を移し実質休業状態となる
      (South King Streetの工房兼店舗はブティックへレンタルされた)
1953    オレゴン大学の大学院で昆虫学を研究していたサム・カマカ Jr.が跡を継ぐため帰郷する
1953.12.15  サム・カマカ癌のため永眠(合掌)
1954    サムカマカ Jr.は、Ala Moana Centerの楽器店のマネジャーをやっていたMr. Murphyを呼び戻して工房を整備し、3人の障害を持った従業員と生産を再開する
      サムカマカ Jr.考案のkkデカール採用(1999まで使用)
      kkdecal1

      kkデカール採用に伴い艶無しゴールドラベル採用(1969年にホワイトラベルが採用されるまで使われた)
      この当時の艶無しゴールドラベルにはHawaiian Handmaideの文字が入っている
      goldlabel1

1950年代中頃 再生産初期の物には、戦前の仕様であるモンキーポッド材やウッドフリクションペグを使った物があったが、この頃からコア材で通常ペグと仕様が安定してくる。
      kkdecal

1956    chris 誕生
1959    550 South Streetへ移転する(生産量増加のため店舗兼工房から工場の形態へ、敷地はハワイ州から借用した)
      southstreet

      ハワイがアメリカの州になった記念に6弦コンサートlili'uの製作開始
      (ハワイのLili'uokalani女王の名前をとったもの)
      HF600


1960頃   バリトンが製作される
      bariton

      この頃のパンフレットを見るとデラックスモデルの特徴として指板付きと書かれていて、スタンダードには未だ指板は無い。
      bariton

      しばらくして、スタンダードにも指板が付くようになる
      fingerbord1

      また、この頃バックがネックヒールまでカバーしなくなる(指板が付いたため、ネックの補強が不要になったためか?)
      back1back2

1960年代前半 スタンダードやパイナップルの指板のエンドの形状がV字型から斜めに変更される
      (これ以降でも、まれにV字型の指板エンドのものが存在する)
      fingerbord2

      少し遅れて、ブリッジにサドルが付くようになる(左がサドル無し、右がサドル有り)
      bridge1bridge2

1963    casey 誕生
1963〜1970 東京都世田谷区奥沢にあった東京弦楽器製作所(遠藤弘社長)と共同でKamaka Japan LTD. を設立する
      kamakajapanjapan

      カマカジャパンにて子供用のkeikiモデルを製作開始(ハワイ製も存在するという説がある)
      keikikeikidecal
      keikiモデルにはデラックス・モデルとスタンダード2種(ナチュラル・フィニッシュとブラウン・フィニッシュ)がある

1964    fred 誕生
1964.8.10 kkロゴ、k.kamaka ukuleleロゴ、k.keikiロゴの商標登録出願
1965.6.15 kkロゴk.keikiロゴの商標登録認可(kkロゴは現在も更新している)
1965.9.28 k.kamaka ukuleleロゴの商標登録認可(現在も更新している)
1965    オータサンモデルの開発
       ohtasan

1965頃   艶有りゴールドラベルが一部のモデル(カマカジャパン?)に採用される
       goldlabel2

1960年代中頃 艶無しゴールドラベルの一部のモデルに日付スタンプが入る それ以前は手書きの日付があるものが存在する
       date

      一時的にパイナップル・デカール・シールが復活するがオリジナルとデザインが異なる(50周年記念?)
      newpinedecal

1966    George Gilmoreに教わりクラッシックギターとリュートの製作開始
       classiclute

1967頃   コンサート及び一部テナーのヘッドにtikiが付く(1973年頃まで)
       tikimodeltiki

1968    会社名 Kamaka Hawaii, Incorporated に変更

      カスタムモデルに Samuel Kamaka, Luthier のラベル採用
       Luthierlabel

1960年代後半 艶無しゴールドラベルのHawaiian Handmaideの文字がhonolulu hawaiに置き換わる
       goldlabel3

      艶有りゴールドラベルにHawaiian Handmaideの文字部分が切られたものが登場する(左下に赤い縦線が残っている)
       goldlabel4

      その後、艶有りゴールドラベルの下に文字が印刷されていないものに置き換わる
       goldlabel5

1969末   ホワイトラベル採用(ゴールドラベルより一回り小さくhonolulu hawai U.S.Aの文字)
       whitelabel1


1970    宇宙飛行士のScott Carpenterのためtiple(10弦テナー)を製作
       tiple

1972    陸軍を除隊したフレッドが帰ってきて事業に加わる
1972頃   指板が厚くなる
       bord1bord2

1972末   ラベル上部にHand Crafted の文字が入り、下側の文字にもmade in が追加される
       whitelabel3

1973頃   なで肩からいかり肩へボディシェイプ変更
      なお、この頃からトップ2ピースやバック2ピースのものが作られ始め、やがてすべてトップ&バック2ピースになる
       shape1shape2

      サイドポジションマークが3個から1個へ変更される
       mark1mark2

1974    シャラーペグ採用
       shaller

1975頃   サウンドホールが拡大される
       soundhole

1976    建国200年を記念して8弦テナーlili'u がラインナップに加わる
       HF800


1980半ば  指板エンドの処理が斜めから直角に変更される
       fingerbord3


1998頃   グロスフィニッシュ(艶出し塗装)採用
       finish


2000     シリアルナンバーと日付が標準採用される

       date2

2001    kk kamaka ukuleleロゴ採用に伴いラベル変更
       kkkamaka

      パールロゴ採用
       perllogo

2002頃   なで肩へボディ形状変更、14フレットに増える
       shape3shape4

2003頃   ネック材がコアからマホガニーに変わる。
      フレット数 さらに16へ増える
       shape5

2005.6.13  kk kamaka ukuleleロゴ商標登録申請
2005.7.28  パイナップルロゴ商標登録再申請
2006.2.28 パイナップルロゴ商標登録再認可
2006.5.23 kk kamaka ukuleleロゴ商標登録認可
2006    ジェイクシマブクロモデル100台限定発売$5500
      jake




このように見ると、パイナップルモデルを作ったサム・カマカも偉大ですが、休業状態だった事業を再開し、改良を重ね、現在の規模まで拡大させたサム・カマカ Jr.の功績は素晴らしいですね。
カマカに関する記事を読むとサム・カマカの功績は書かれているのですが、サム・カマカ Jr.についてはあまり書かれていないのが残念です。。
彼がいなかったら、カマカは昔ハワイに存在した多くのウクレレ・メーカーの一つとして語られるだけの存在だっただろうし、ハワイ製ウクレレの存続も無かったのですから、彼の功績はもっと評価されるべきでしょう。
それに、ハワイの新興ウクレレメーカーは、多かれ少なかれ、みんな彼の作り出したkkデカールのウクレレの影響を受けていると言っても過言ではないでしょう。

<追記>リットーミュージック「ウクレレ・マガジン vol.2」のカマカ特集に記載されている年表原案を作成しました。

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