基本はファイヤーバードX


ギブソン・ファイヤーバードと聞いて、多くの人が思い浮かべるのがファイヤーバードXでしょう。
レスポールで言うところのスタンダードがXというグレードになります。
ちなみにZがカスタム、Vがスペシャル、Tがジュニアに該当します。
もちろん、私が影響を受けたデイヴ・メイソンが使っていたのもファイヤーバードXでした。


これが1964年製のリバース型のファイヤーバードXです。


う〜ん、カッコ良いですね。
ご存知の通り、9ピースのスルー・ネック構造です。 ちなみに、ファイヤーバードって持った時のバランスが悪いので、私はネックの付け根にストラップ・ピンを増設しています。

リバース型のヘッドの様子です。

ヘッドは段付き加工がされていて、バンジョーペグが付いています。


コントロール部の様子です。


コントロール・キャビティやバックプレートには銀色のシールド塗料が塗られています。

ピックアップの様子です。


ステッカー・ナンバードと言われるシールが貼られたミニ・ハムバッカーです。
ちなみに、他のミニ・ハムバッカーと共用のピックアップ・ベースを使っているため、意味の無いポールピース用の丸い穴が6つ開いています。
(ピックアップについては、後述します)




ご存知の通り、売れ行きが今一つのくせに、製造コストがかかるため、ファイヤーバードは1965年半ばにノンリバース型へモデル・チェンジします。
下は、モデル・チェンジ直後の1965年製です。



個人的には、ノンリバース型になって、カッコ良さが今一つに感じますが…ミニ・ハムバッカーとロング・ヴァイブローラを搭載したXとZは未だ許容範囲です。
もっとも、コスト削減のため、ボディはT、V、X、Zの全グレード共通のセットネックで、ポジションマークは全てドット・インレイ、ネック・バインディングもありません。
なお、ノンリバース型のファイヤーバードもバランスを考慮して、私はネックの付け根にストラップ・ピンを増設しています。

こちらが、ノンリバースXのヘッドストックです。

ペグは通常の6inLineの安物で、ツマミも楕円形のプラスチックです。

コントロール部の様子です。


この部分は何故かシールド塗料からシールド・ボックスへとグレードアップされています。

ピックアップの様子です。


ピックガードにマウントする方式へ変更され、スライドスイッチにもシールド・ボックスが付いています。
この時期までは、ピックアップ自体はリバース・モデルと同じ物を採用しています、

実は、ノンリバースにモデルチェンジして、しばらくするとピックアップもコストダウンのため変更されるのです。
以下はリットー・ミュージック刊のGuitar Graphic Vol.2に載っていた図です。
60年代前半のピックアップの構造


贅沢にもバータイプのアルニコVマグネットを2本ポール・ピースに使っています。
フェンダーのピックアップ同様にポール・ピース自体をマグネットにしているため、フェンダーよりのハムバッカー・サウンドになります。


60年代後半のピックアップの構造


ボビンを横倒しにして、真ん中に一つバータイプのアルニコVマグネットを挟んだ構造です。
サウンド的にはかなりトレブリーになり、個人的には耳に痛い位なので嫌いです。
このピックアップは、ノンリバースの後期型、メダリオンに使われています。
さらに、在庫が余っていたのか?建国200年モデルの一部にも、このピックアップを搭載したものがあります。
なお、カバード・タイプなので、一見するとどちらのタイプか判りませんが、ドライバー等がピックアップ前面のどこでくっつくか?で判断できます。
上部と下部の2カ所でくっつくのが60年代前半タイプ、センターの1カ所でくっつくのが60年代後半タイプです。
なお、90年代以降のリイシューはセラミック・マグネットに変更されていますので、音質が別物になっています。



<(おまけ)ファイヤーバードあれこれ>