希少なファイヤーバードZ
ファイヤーバードZといえば、ローリング・ストーンズの故ブライアン・ジョーンズとか、CSN&Yのスティーブン・スティルス、エアロスミスのジョー・ペリー等の使用で印象が強く、希少なモデルというと意外に思われるかもしれません。
しかし、ギブソンのシッピング・リストを調べると、1963:20本、1964年:173本、1965年:110本、1966年:46本、1967年:9本、1968年:19本、1969年:5本、1970年6本の合計388本しか製造されていません。
(このうち、約250本がリバース型と言われています)
製造本数が少なく、ファンが全ての存在を調べようとしているギブソンのアコギ、エヴァリー・ブラザースでさえ488本製造されているのですから、カスタム製造ではなく通常のラインナップに載っていたギター、それも有名ミュージシャンが使っているギターとしては、かなり希少なのです。
(オリジナルのフライングVほど希少ではありませんが…)
最初は、僅かに20本しか製造されなかった初年度、ほぼミント状態の1本です。


3ピックアップ、エボニー指板、ブロック・ポジションマーク、ゴールド・パーツがZの特徴です。
この時期、未だピックガードに火の鳥マークは入っていないので、ノーバードとも言われています。
また、ネックも2ピースのスルー・ネック構造で、9ピースになっていません。
ヘッドの様子です。

ゴールドのバンジョーペグが付いていますが、プラスチック製のツマミがついています。
先行してバンジョー・ペグが採用されたEB-1もプラスチック製のツマミだったので、流用されたものかもしれません。
この後、金属製のツマミになるのですが…ヘッドが重くなってしまうので、プラスチック製の方が良かった様に思います。
コントロール部の様子です。

ピックアップの様子です。

何故か、リアにはステッカーが貼られていますが、フロントとミドルにはステッカーが貼られていません。
なお、ABR-1ブリッジのサドルはナイロン製の物になっています。
続いて、かなり使い古された1964年製のZで、塗装も古びていますが、おそらくリフィニッシュされています。
(この時期のカラー・チャートにはブラックはありません)
ゴールドのハードウェアも、かなり色あせています。


こちらのピックガードには、火の鳥マークが描かれているのですが、こすれて消えかかっています。
また、この頃になると、ネックは9ピースに変更されています。
ヘッドの様子です。

やはりゴールドのバンジョーペグですが、金属製のツマミになっています。
コントロール部の様子です。

ピックアップの様子です。

こちらは、しっかり3つのピックアップともステッカーが貼られています。
なお、こちらもABR-1ブリッジのサドルはナイロン製の物になっています。
続いて、1965年半ばにノンリバース型へモデル・チェンジした直後の物です。


T、V、Xと共通のボディを使っているため、指板はローズウッド、ポジションマークは全てドット・インレイで、違いはゴールド・ハードウェアだけです。
でも、ノンリバース型のZは、さらに製造本数が少なく、おまけに60年代前半のピックアップを搭載した物となると、なかなかお目にかかれません。
こちらが、ノンリバースZのヘッドストックです。

ペグは通常の6inLineですが、ゴールドのメタル・ツマミです。
コントロール部の様子です。

X同様にシールド・ボックスに入っています。
ピックアップの様子です。

3つのステッカー・ナンバードのミニ・ハムバッカーです。
ABR-1ブリッジのサドルは金属製となっています。
<(おまけ)ファイヤーバードあれこれ>